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2015年1月17日土曜日

戦後70年が経ってもなお「日米合同委員会」を通じてアメリカに間接統治されているニッポン!

米国が日本を牛耳っている、日本の官僚機構が米国の意向通りに動いている、等々あまりにも露骨なので、それを覆い隠すための組織といえる「日米合同委員会」。

日本の司法から行政、政治、そしてTPPで経済と、日本の全てを掌握するためにつくられたと言っていい「日米合同委員会」は、今後ますます「露骨」に動くだろうと思われる。

日本を陰で支配する組織として昨年後半に取り上げたが、「リバイバルエントリー」として再度取り上げてみたい。
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まずは、前回とは違う「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説」を載せておく。

「日米合同委員会」
≪日米地位協定(「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」)に関する日米両政府間の協議機関。日米地位協定の第25条の規定に基づいて、地位協定の「実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項」に関する問題を協議する。合同委員会は日本政府の代表者1人(外務省北米局長)とアメリカ政府の代表者1人(在日米軍司令部副司令官)で組織し、各代表者は代理および職員団をもつ。合同委員会は原則として隔週に開催される。ここでの決定は「合意」Agreementとして文書化され、双方が調印するが、不公表とすることで日米間で合意されている。「補助機関」として各種の「分科委員会」「小委員会」「特別委員会」などが施設、事故など問題別に設けられているが、その実体も不公表とされている。≫


ここから再エントリー:
日本国憲法より上位にある「安保法体系」を協議し官僚機構との月2回の会議で全てを掌握し日本を陰で支配する「日米合同委員会」

本ブログでも発売日前から「注目書籍」で取り上げていたが、あの孫崎享氏が書いた名著『戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)』の編集者であり、同じ「戦後再発見」双書シリーズの一冊、『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)』の共著者として矢部宏治氏の本が話題である。

戦後日本を陰で操る「日米合同委員会」


日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか
矢部 宏治 
集英社インターナショナル 
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発売日を前に孫崎氏のニコニコ動画の「孫崎チャンネル」で対談をしていて、興味深かったのが、横須賀、厚木、座間、横田の米軍基地があり、六本木にもヘリポートがあってCIAやスパイ、要人などが、正規の手続きなしで米国から日本に直接入出国を自由にしていて出たり入ったりと完全に米国から見た場合は「日本に国境はない」、自国のように出入りしている、いわば植民地ということになる。

magosaki.jpg
矢部宏治氏 & 孫崎享氏

この『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』に関してインタビューした記事が出ている。

日本を支配する“憲法より上の法”の正体とは?
(週プレNEWS 11月4日)

この記事の中に出てくる「日米合同委員会」。これが日本を自動的に「米国追従」にさせるシステムだったのだ。

(以下、抜粋)
■戦後日本を陰で操る日米合同委員会
矢部 ちなみに、安保条約の条文は全部で10ヵ条しかありませんが、その下には在日米軍の法的な特権について定めた日米地位協定がある。さらにその日米地位協定に基づき、在日米軍をどのように運用するかに関して、日本の官僚と米軍が60年以上にわたって、毎月会議(現在は月2回)を行なっています。
 これが「日米合同委員会」という名の組織で、いわば日本の「闇の心臓部(ハート・オブ・ダークネス)」。ここで彼らが第2次世界大戦後も維持された米軍の特殊権益について、さまざまな取り決めを結んできたのです。
 しかも、この日米合同委員会での合意事項は原則的に非公開で、その一部は議事録にも残らない、いわゆる「密約」です。
 また、この日米合同委員会のメンバーを経験した法務官僚の多くが、その後、法務省事務次官を経て検事総長に就任しています。つまり、この日米合同委員会が事実上、検事総長のポストを握っていて、その検事総長は米軍の意向に反抗する人間を攻撃し潰していくという構造がある。

―民主党政権時に小沢一郎氏が検察のターゲットになったり、鳩山由紀夫氏の政治資金問題が浮上したりしたのも、もしかしたら彼らや民主党政権が都合の悪い存在だったのかもしれませんね……。
 検事総長という重要ポストをこの組織のメンバーが押さえ続けることで、先ほどの話にあった「軍事力ではなく法で支配する」構造が維持されているというわけですね。

矢部 ただし、この仕組みは「アメリカがつくり上げた」というより、「米軍」と「日本の官僚組織」のコラボによって生まれたと言ったほうが正しいと思います。
 アメリカといっても決して一枚岩じゃなく、国務省と国防省・米軍の間には常に大きな対立が存在します。実は国務省(日本でいう外務省)の良識派は、こうした米軍の違法な「占領の継続」にはずっと反対してるんです。当然です。誰が見てもおかしなことをやっているんですから。しかし60年も続いているから、複雑すぎて手が出せなくなっている。まともなアメリカの外交官なら、みんな思っていますよ。「日本人はなぜ、これほど一方的な従属関係を受け入れ続けているのだろう?」と。
 考えてみてください。世界でも有数といわれる美しい海岸(辺野古)に、自分たちの税金で外国軍の基地を造ろうとしている。本当にメチャクチャな話ですよ。でも利権を持つ軍部から「イイんだよ。あいつらがそれでイイって言ってるんだから」と言われたら、国務省側は黙るしかない。

(以上、抜粋)


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日米合同委員会(Japan-U. S. Joint Committee)とは
≪日米安全保障条約第6条に基づく地位協定 (施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定) の第 25条に規定された同協定の実施に関する日本,アメリカ両国政府の協議機関。旧安保条約 (1951) に伴う日米行政協定などで設けられていたもので,新条約 (60) に引継がれた。≫


参照:
日米合同委員会組織図

この組織図を見れば、単なる米軍に関する委員会ではなく、日本の全てを掌握し米国のお墨付きがなければ重要事項は何も決められない、雁字搦めにされている事がよくわかる。

下記のように省庁のHPで合意事項として公表しているものの、「原則的に非公開」で、一部は議事録にも残らない、いわゆる「密約」になっているとのことだ。

日米地位協定各条に関する日米合同委員会合意


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「沖縄国際大学・米軍ヘリ墜落事故」


「日本じゅう、どこでも一瞬で治外法権エリアになる」

この矢部氏の言葉は強烈で鮮烈である。
一九五三年に日米両政府が正式に合意した次の取り決めが、現在でも効力をもっている
とのこと。
日本国の当局は、(略)所在地のいかんを問わず合衆国の財産について、捜索、差し押さえ、または検証を行なう権利を行使しない」(「日米行政協定第十七条を改正する議定書に関する合意された公式議事録」一九五三年九月二九日、東京)≫

これが面々と生き続けていて、
≪軍基地のなかだけでなく、アメリカ政府の財産がある場所」は、どこでも一瞬にして治外法権エリアになるということを意味している≫
とのことだ。

その事例として「沖縄国際大学・米軍ヘリ墜落事故」を上げ、
≪墜落した米軍機の機体や、飛び散った破片などまでが「アメリカ政府の財産」と考えられ、米軍はそれらを保全するためにあらゆる行動をとることができる。一方、日本の警察や消防は、なにもできないという結果になっている≫



へり02


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実際、この墜落事件では当初は日本の消防隊によって火は消し止められたものの、その後は日本の警察やマスコミなどは一切排除した中で、米軍による検証が行われ、証拠となる機体の残骸なども夜の内に運び去られている。
≪事故直後、消火作業が終わった後にアメリカ軍が現場を封鎖し、事故を起こした機体を搬出するまで日本の警察・行政・大学関係者が現場に一切立ち入れなかった≫

参照:
沖国大米軍ヘリ墜落事件の詳細

沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故写真集


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【米軍 その「地位」は今 国内編】 米軍の規制を「追認」 本土と報道ギャップも
≪沖縄国際大の事故後、日米合同委員会は05年4月、基地の外での米軍機事故に関するガイドライン(指針)を取り交わした。事故現場において/(1)/見物人などを排除する外周規制線は日本が管理する/(2)/事故現場付近の内周規制線は日米が共同管理する/(3)/すべての残骸、部品、残滓(ざんし)に対しては米国が管理を保持する―などが内容だ。
内周規制線を「共同管理」することで日本側に配慮したかにもみえるが、地位協定に詳しい沖縄国際大教授の前泊博盛(まえどまり・ひろもり)は「残骸管理を名目に米軍による現場規制にお墨付きを与えた内容で、地位協定からも外れた『無法行為』を文書で追認したに等しい」と批判する。≫




宜野湾市 ヘリ墜落の写真

米軍ヘリ墜落事件 -目の当たりにした米軍基地の危険-
≪政府や県警は日米地位協定上やむを得ないとしているが、地位協定の条文をどう読んでも、民間地に落下して損害を与えた米軍の財産保全のために、米軍が民間地を封鎖し、土地や建物の所有者を立入らせず、火災や事件の捜査を行わせないような行為をなす権利を根拠づける規定などない。もし、地位協定上このような行為が容認されるならば、米軍の前には日本全土が全く無権利である。≫


ヘリ米軍01


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日本の国内法よりも上位にくるものが「安保法体系」


ちょっと「沖国大米軍ヘリ墜落事件」に入り込んでしまったが、話を戻して、インタビュー記事と被る部分が多いが、もう一度、本の中で著者の矢部氏が指摘している、日本の国内法、もちろん憲法よりも上位にくるものが「安保法体系」であるという部分を書き出しておく。

(以下、抜粋)
官僚というのは法律が存在基盤ですから、下位の法体系(日本の国内法)より、上位の法体52系(安保法体系)を優先して動くのは当然です。裁判で負ける側には絶対に立たないというのが官僚ですから、それは責められない。
 しかも、この日米合同委員会のメンバーがその後どうなっているかを調べてみると、このインナー・サークルに所属した官僚は、みなそのあと、めざましく出世している。
 とくに顕著なのが法務省で、省のトップである事務次官のなかに、日米合同委員会の元メンバー(大臣官房長経験者)が占める割合は、過去17人中12人。そのうち9人は、さらに次官より格上とされる検事総長になっているのです。
 このように過去60年以上にわたって、安保法体系を協議するインナー・サークルに属した人間が、必ず日本の権力機構のトップにすわるという構造ができあがっている
 ひとりの超エリート官僚がいたとして、彼の上司も、そのまた上司も、さらにその上司も、すべてこのサークルのメンバーです。 逆らうことなどできるはずがない。
 だから鳩山さんの証言にあるように、日本国憲法によって選ばれた首相に対し、エリート官僚たちが徒党を組んで、真正面から反旗をひるがえすというようなことが起こるわけです。
この章のはじめで、私が沖縄に行ったきっかけは、「鳩山首相を失脚させたのは、本当はだれなのか」
「官僚たちが忠誠を誓っていた『首相以外のなにか』とは、いったいなんだったのか」という疑問だったと言いましたが、この構造を知って、その疑問に答えが出ました。
彼らは日本国憲法よりも上位にある、この「安保法体系」に忠誠を誓っていたということだったのです。

(以上、抜粋)

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動画:
『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』矢部宏治・孫崎享 対談


この動画の書き起こし:
みんな楽しくHappy♡がいい♪

IWJも吉田氏へインタビューしている。

2014/07/24 集団的自衛権とともに安保法体系に呑み込まれる日本〜岩上安身による『検証・法治国家崩壊』著者・吉田敏浩氏インタビュー 


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日本国憲法の法体系よりも「安保法体系」の方が上で、日米合同委員会で決めたことは日本の法的なシステムよりも上位である。

冒頭で紹介した、「六本木基地」だが、何度かヘリコプターの轟音がしたのを聞いたことがあり、一度だけビルとビルの間から巨大なヘリを見た事がある。

六本木基地


数多くの米国諜報活動機関の要員が、なんの妨げもなく日本中で活動しているということだ。
元CIA職員だったエドワード・スノーデン氏も日本で活動しているが、彼はNSAと契約を結んでいたDELLに勤務しながら、NSAの横田基地で高官や軍将校を対象に中国からのサイバー戦争に対する防衛技術を指導していたとのことで、ビジネスマンを装って入国していたのだろう。(参照


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参照:
麻布米軍ヘリ基地撤去実行委のホームページ

都内の米軍基地


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米軍および米兵に「治外法権」をあたえるためにつくられた「三つの裏マニュアル」


(以下、抜粋)
1960年の密約によって、現在までなにも変わらず受けつがれている。現在でも米軍やCIAの関係者は直接、横田基地や横須賀基地にやってきて、そこから都心(青山公園内の「六本木ヘリポート」 )にヘリで向かう。さらに六本木ヘリポートから、日米合同委員会の開かれる「ニューサンノー米軍センター」(米軍専用のホテル兼会議場)やアメリカ大使館までは、車で5分程度で移動することができるのです
・・・
六本木というのは東京の都心中の都心です。そこに「六本木ヘリポート」というバックドアがあり、CIAの工作員が何人でも自由に入国し、活動することができる。そしてそれらの米軍施設内はすべて治外法権になっており、沖縄や横須賀や岩国と同じく、米軍関係者が施設外で女性をレイプしても、施設内に逃げこめば基本的に逮捕できない。これはまちがいなく、占領状態の延長です…
・・・
三つの裏マニュアル
最高裁の「部外秘資料」(一九五二年九月:正式名称は「日米行政協定に伴う民事及び刑事特別法関係資料」最高裁判所事務総局/編集・発行)
検察の「実務資料」(一九七二年三月:正式名称は「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」法務省刑事局/作成・発行)
外務省の「日米地位協定の考え方」(一九七三年四月:正式名称同じ。外務省条約局/作成)


の三つです。これらはいずれも、独立した法治国家であるはずの日本の国内で、米軍および米兵に事実上の「治外法権」をあたえるためにつくられた裏マニュアルです(三つとも、日米合同委員会における非公開の「合意議事録」の事例をマニュアル化する形でまとめられたものです)。
それぞれのマニュアルについてくわしくお知りになりたい方は、①と②については『検証・法治国家崩壊』の著者である吉田敏浩さん著の『密約―日米地位協定と米兵犯罪』(毎日新聞社)を、③については前泊博盛さん編著の『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 』(「〈戦後再発見〉双書」第二巻創元社)をぜひお読みください。


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本ブログでも「日本社会の根源的問題」として①官僚組織、②検察組織、③マスメディア、 ④創価学会、⑤アメリカ国益を優先している人と組織の5つを上げていたが、この本でだいたい9割は繋がった。

日本社会を歪めている諸悪の源は「日米合同委員会」だ!

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