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2014年2月27日木曜日

イカの塩辛


旨いですねー、真いかの旬ですかね! 
ぬる燗の酒、、、これから ふきのとうの味噌、タラの芽、初鰹、鰆、新じゃがの味噌合えなど出て来ますね。

ビールとソーセージは、格下ですね。

2014年2月25日火曜日

Final F2A Top American/ Carl Dodge

http://www.youtube.com/watch?v=9_whEa1UdEA


生涯独身のエンジニ-アー、オハイオ・クリーブランド近郊在、
1960年代 Al Stegensとチィームを組む。
Henry NelsonとT/Mも飛ばし、自作エンジン開発使用。
学生時代の友人Bob Mattesはわたしのエンジンアドヴァイザー。

無題

年金や健康保険でメタボになった日本と、老人ホームや介護施設がいらないフィリピン(ダイヤモンド)
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/795.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 2 月 23 日 16:13:00: igsppGRN/E9PQ

マニラ、ケソン市郊外にある外国人向けの介護施設。住宅街にある一戸建てをケアハウスに改築している【撮影/Alt Invest Com】

年金や健康保険でメタボになった日本と、老人ホームや介護施設がいらないフィリピン
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140223-00048770-diamond-bus_all
ダイヤモンド・オンライン 2月23日(日)16時0分配信

 フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者の ためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのマニラレポート。社会福祉のおかげで家族制度が崩壊しつつある日本。一方、家族という強力な社会制度を維持するフィリピンは、何があろうが生き抜く活力に満ちている。
● 日本は国家の福祉に頼らざるをえないメタボ社会
 日本では予備軍も含めて800万人の認知症のお年寄りがいるという。そしてこの方たちの多くが、一人あるいは夫婦だけで暮らしている。私のまわりを見渡して見ても、子ども夫婦と一緒に暮らしているお年寄りはほとんどいない。お年寄りは皆、口をそろえて「子どもたちに面倒はかけたくない」と話す。そして子どもたちも将来、親の面倒を見るという気はない。
 かといって、いざ親が認知症など介護を必要とするときが来たら放っておくわけにもいかない。特別養護老人ホーム(特養)は40万人の入居待ちがおり、私設の有料老人ホームに入れようにも一般人には高嶺の花だ。
 そうなると介護のために会社を辞めたり、離婚して親の介護に専念したり、自分の家族を犠牲にせざるを得ない方も多い。だからこそ、お年寄りはますます子どもに面倒をかけまいと、一人住まいや介護拒否が加速する。そして最終局面では、面倒を見るほうも見られるほうも地獄を見ることになる。
 日本は戦後、年金、健康保険、介護保険、生活保護などの社会福祉を充実することにまい進してきた。しかし本格的な少子高齢化社会の到来で膨大な国家予算をつぎ込むことなり、その破綻は秒読み段階に入っている。日本はそれぞれの福祉制度に、フィリピンの国家予算をはるかに超える予算を割り当てている。しかもそれは、国債などの借金で賄われているのだ。
 政党は票集めのために社会福祉の充実を旗印にしているが、現実は年金支給開始年齢の引き上げ、個人負担の増額、在宅介護の奨励などコスト削減にやっきだ。このままでは膨大な国家の負債により財政、そして国が破綻してしまうからだ。
 しかし手厚い福祉制度に胡坐をかいて、核家族化と無縁社会をまい進してきた日本人は、国家の福祉に頼らざるをえない体質(メタボ社会)になってしまっている。
● 介護問題の解決策を海外に探る日本 介護問題のないフィリピン
 先般お世話したお年寄りはすでに軽度の認知症で、高齢の奥さんにとってその介護は過酷で、精神状態までおかしくなりかねない切羽詰った状態だった。お子さんにはそれぞれの生活があり、介護を助けることもできない。特養に入れようにも、この程度の認知症では対象外と門前払いをされ、申し込むことさえできなかった。私設の老人ホームに入れたら財政的に子どもたちの生活が破壊されてしまう。
 解決策として考えたのがフィリピンでの介護で、外国人を専門に面倒を見ているWellness Placeというところに父親を預けた。月々10数万円の費用で、これならなんとか賄える。
 これで家族崩壊の危機を乗り越えることができたが、この選択は海外に居住する息子さんあってのことだ。今後、介護老人を抱える家庭は、国を頼りにするのではなく、日本を脱出して自ら解決策を海外に探る以外に方法がないかもしれない。
 一方、フィリピンには老人介護の問題も少子化の悩みもない。国民の半数が貧困という社会だが、老人と子どもは強い家族の絆に守られて幸せに暮らしている。介護施設も皆無で、自分の親を介護施設に送る込むような不謹慎な子どもはいない。フィリピンでは老人と子どもは神の子であり、天使なのだ。
 それでは、日本のお年寄りはなぜ子どもに面倒を見てもらうことを拒否して、一人暮らしをするのだろうか。逆説的な言い方だが、財政的に可能だからこそ、一人暮らしをするのだ。たしかにお金さえあれば、いろいろと面倒な家族などいないほうが気楽でいいかもしれない。嫁姑の確執もないし、夫婦の揉め事も、兄弟や子どもが持ち込むトラブルに悩まされることもない。
 財政的裏づけとは社会福祉の目玉、年金だ。年金さえあれば、子どもを頼りにしなくても老後の暮らしが送れる。老いて子に従う必要もなくて、好きなときだけ土産を持って孫の顔を見に行けばよい。年金がもらえない人は生活保護という便利な制度まである。 一方、フィリピンでは年金制度はあったとしてもささやかで、それにあやかれる人も少数だ。まして生活保護なんてありえず、人々に国家に頼るという発想はない。
 フィリピンでは老後の保険に子どもを作るという考えがある。だから、子どもがいない夫婦は子どもをもらってまで育てる。そうやって家族を維持して、老後の備えをする。
 彼らにとっては、家族を作る過程こそが人生であり、喜びなのだ。そして、老後はその果実をエンジョイする。これは人類が数百万年続けてきた仕組で、ほんの数十年前に作られた年金制度で代用できるわけがない。年金や生活保護など社会福祉と呼ばれる先進国の誇りである福祉制度が家族を崩壊させる原動力となったのではないか。飽食によるメタボが肉体を蝕むことに通じるところがある。
● 老人が死なない日本 家族が見守るなか、すみやかに旅立つフィリピン
 最近、こんな話をビザ申請に訪比された退職者と話をしていたら、その方は「さらに老人が死なないんだよね」といった。寿命を全うすべき老人が、医療の力で生きながらえ、膨大な医療費を浪費している。回復する可能性がなくても、医療関係者はあらゆる手を尽くして死なせない。医療機関は健康保険のおかげで取りっぱぐれぐれがないから、高額な延命治療を施す。このことが多大な財政負担を国家に強いる。
 一方、フィリピンでは、健保の制度はあるもののその恩恵は少額で、限られた人々のものだ。だから老人が大病を患うと、その家族が賄うことができる範囲の治療しか施すことができない。病院も、支払いの保証がないかぎり治療を行なわない。行き過ぎた延命治療はありようがないし、あったとしても一部のお金持ちのセンチメンタルでしかない。老人は不治の病を患うと、家族が見守る中、すみやかに神の元に旅立つのだ。
 健康保険制度が医療制度を捻じ曲げ、意味のない高齢化社会を作り出す一因となっている。
 年金も健保も不十分なフィリピンは、家族という強力な社会制度を維持しているために、何があろうが生き抜く活力に満ちている。一方、日本は社会福祉のおかげで、家族制度が崩壊しつつあり、まさにメタボで瀕死の状況だ。このまま家族という仕組みを取り戻せないと、フィリピンにとって代わられてしまうかもしれない。
 (文/志賀和民)

 著者紹介:志賀和民(しが・かずたみ)
東京出身。東北大学大学院修了後、日揮(株)入社。シンガポールにをかわきりに海外勤務を歴任。1989年日揮関連会社社長に就任しフィリピンに移住。2007年4月PASCO(サロン・デ・パスコ)取締役。

2014年2月21日金曜日

なんとも面白い裏真実

いま、NHKのオリンピック女子スケートのキム・ヨナの出番です。 3:45AM 前後。

転載します、読み応えあり。

副島隆彦です。今日は2014年2月18日です。

 これから、現在の日本の金融経済の動きの根底のところで非常に重要であると思われる日本のやくざ者、暴力団の山口組の話をします。

 それはどういうことから始めるかというと、日本のメディアではあまり相手にされてないけども、重要な新聞記事が去年の12月20日に出ました。これはアメリカの財務省が山口組の幹部4人を金融制裁の対象に追加したと発表したんです。アメリカ時間で12月19日です。

 (貼り付け始め)

ヤクザの経済的安定は許さない」 米財務省、山口組幹部4人を経済制裁対象に追加
産經新聞(2012年12月20日)
 【ワシントン=小雲規生】米財務省は19日、日本や海外で麻薬密輸やマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪行為に関わっているとして、日本の指定暴力団山口組の幹部4人を経済制裁の対象に追加指定した。米国内の資産を凍結するとともに、米国の個人や企業との取引を禁止する。

 新たに指定されたのは入江禎(舎弟頭)、橋本弘文(統括委員長)、正木年男(舎弟)、石田章六(顧問)の4氏。同省はこれまで山口組、住吉会、稲川会を組織指定するとともに、山口組の篠田建市(通称司忍)組長ら10人を個人として、それぞれ経済制裁の対象としていた。

 コーエン米財務次官(テロ・金融犯罪担当)は声明で、制裁の目的について「米国の金融システムを犯罪組織の影響から守る」と強調。「ヤクザの経済的な安定に打撃を加え、麻薬密売やマネーロンダリングを防ぐ」としている。

 同省は日本の暴力団がアジアや欧州、米国にまたがる国際的な犯罪組織網を築き、米国内でも麻薬密売などに関わっているとしている。

(貼り付け終わり)


 副島隆彦です。この記事にでているのは、今の山口組の最高幹部から3人目の人たちである4人です。もう一度、記事から引用しますが、入江偵、橋本弘文、正木年男、それから石田章六です。

 日本の暴力団をマネーロンダリングや人身売買などを行う犯罪組織、犯罪集団であると認定した上で、アメリカ財務省が、アメリカ国内に彼らの資産がある場合は凍結する、それからアメリカ国民との商取引も禁止という制裁措置を発表したんです。

 そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、実はこれは非常に重要な動きなんです。なぜ重要かを話していきますが、広域指定暴力団というのがあって、それは21団体ということになってます。これは暴対法とか暴力団対策法と呼ばれる法律があって、1992年にできてます。正式には暴力団(員)による不当な行為の防止等に関する法律といいます。平成4年ですね。

 この表は警察が発表してるわけですが、山口組(やまぐちぐみ)というのが神戸にあって4万人弱です。構成員というのが1万5000人で、あと準構成員が1万6000人ぐらいいるんですね。その次に稲川会(いながわかい)というのがあって、本拠は東京の港区ということになってますが、これが4000人ぐらい。

 それから住吉会(すみよしかい)というのがあって、これが5000人ぐらいということになってます。しかし、これは倍ぐらいの数で普通は考えますから1万人ぐらいでしょう。あとは400~500人とか200人とかで、ずっと小さな団体になります。全体で9万人ぐらいいると言われてます。そのうちの半分弱の4万人ぐらいが山口組だということです。

 暴力団というのは近寄るのも恐ろしい人たちで、最近実は見かけなくなったんです。これは暴対法(ぼうたいほう)ができてから、暴力団的な雰囲気や外見があるだけでも社会から非難される、怖がられるという感じがどんどん広がりました。

 この暴対法ができてからもう20年以上たつのですが、かなり効き目がある。広域暴力団の指定を受けてるところは相当経済的に追い詰められていて、もうほんとに暴力団の組員たちは生活ができないというような状況まで追い込まれている。

 彼らの用語で「しのぎ」といいますが、生活費を稼ぐという意味です。従来はナイトクラブやキャバレーからのみかじめ料(用心棒代)と呼ばれてたお金が入ったり、あとはお酒や、麻薬はとてもじゃない、もう手を出さないけれども覚せい剤とか売春、その他いわゆる興行を行う人たちもいるわけです。

 確かに、暴力団の話を副島隆彦がしても仕方がないとも思うわけです。ただ、私も自民党の勉強会に15年ぐらい前に行ってるときに、暴力団の雰囲気や感じが自民党の内部を観察していても、あの当時はやはりありました。私自身もちょっと恐ろしい体験をこの時期にしています。その話を今からお話しします。

 私はアメリカ政治研究の若手の評論家として自民党の政治家たちに呼ばれて、あるいは財界人たちの集まりで話をすることが多かったのですが、どうも雰囲気がよくない。言葉の端々に嫌な感じがつきまとうわけです。政治は、こういう裏の社会の人間たちとのつき合いが必ずあります。私ももうこの年になると、暴力団が裏にちらちら見え隠れする政治家たちのことがよくわかるようになりました。

 ただ、私は暴力団の人間とつき合うこともないし、暴力団から派生して生まれたと思われる、いわゆる右翼と呼ばれてる人たちとのつき合いもない。つき合いがなければ被害もないわけですから、そのこと自体は賢く生きてきたと言えます。今は暴力団、やくざ者が非常に日本社会から排除されて、ほとんど表に出られなくなったという時代です。

 それで大事な話をしますと、私が自民党の政治家と関わることになるだいぶ前の話ですが、児玉誉士夫(こだまよしお)という右翼の大物の人物がおりました。この人の話をしなきゃいけない。児玉誉士夫がなぜ重要かというと、もしかしたら自民党という政党で今の政権党を、戦後につくったとき以来のお金を出した一番の出資者は児玉誉士夫であるからです。

 それで自民党と児玉誉士夫の闘い、争いというのがあったんだというふうに考えなければいけない。まさかそんなと思いますが、自由党や民主党と呼ばれたころからの戦後の日本の大きな政党の動きがたくさんあったわけですけども、お金の動きというものを中心に物を見ると真実が浮かび上がる。
 
 大事なことを言わなければいけない。なぜ大事なことというのかは、こういうことです。

 実は山口組という日本最大の巨大な暴力団組織と児玉誉士夫は闘う関係、対立する関係にあった、ということなのです。

 大きく私たちが理解しようと思うと、関東やくざというのがあって、これは関東会とか関東七社会(関東会加盟7団体)とか、あるいは今では関東二十日会ともいいますが、その中心は最初に話した稲川会。これは錦政会(きんせいかい)という登録もしていた時期があります。それと住吉連合ですね。住吉会ともいいます。これが1万人ぐらいずついるんですが、この関東やくざの親分が児玉誉士夫だったわけです。わかりやすく言うと、そういうことなんです。そして自民党という政党ができていく過程で、大きなお金をどこから持ってきたか、つくって渡したのが児玉誉士夫です。

 私の本で『日本の秘密』(弓立社)という本がありまして、その中で、戦後の日本の大物政治家たちの離散、集合、対立といいますか、大きな図式を私は党人派の政治家たちと官僚派(官僚上がり)という政治家たちの2種類に大きく分けて、ばさっとわかりやすく流れを全て説明しました。

 一言で言うと、鳩山一郎と吉田茂の闘いであるといってもいい。鳩山一郎たちが戦後は自由党と名乗りましたが、戦前はずっと政友会という政党で、これはもう伊藤博文たちまでさかのぼる、三井住友、ロスチャイルドの系統の大きな政党です。

 それに対して官僚上がりというか、官僚から政界に入ってきた者たちは民政党という政党にいたんです。それは三菱、ロックフェラー系であるところの三菱財閥が応援して、岩崎弥太郎の長女、次女、三女がそれぞれ桂太郎や加藤高明という民政党の大物政治家、首相になった連中に嫁いでいる。この二つの政友会対民政党の争いが戦後もずっと続いたということです。

 吉田茂は外務官僚上がりですから、本当は戦後も民政党の流れをつくっていくべきだったのに、彼が自由党に入ってしまった。それで大きく乱れて混乱が生じたんです。戦後すぐの昭和22年(1947年)の第1回目の選挙で勝ったのは鳩山一郎たちなんですね。ほかに三木武吉(みきぶきち)というおもしろい、徳島出身の政治家がいました。ブリヂストンの創業者である石橋家の娘を息子の奥さんとしてもらっていて、ブリヂストンのお金も出てるわけです。

 ところが、選挙で勝ったのに鳩山一郎が公職追放になる。そのために仕方なく吉田茂に政権を預けたという形になるわけです。吉田、おまえに預けた政権を返せという争いが何とその後8年間も続いて、これは私が生まれた次の年ですが、昭和29年(1954年)にようやく鳩山内閣が成立します。しかし、もう鳩山一郎は体を壊していて2年ぐらいしかできなかった。

 鳩山一郎たちの党人派の政治家たちのほうが、国民の、少なくとも金持ち層や経営者層の意思を代表した一番国民政党らしい政党です。それに対して官僚上がりの連中というのは、やはりどこか非常に国民の生活を統制しようという感じがある。

 僕らでも知ってるのは、この後1972年から田中角栄という人物の政権ができるわけですが、私、副島隆彦も気持ちの上では田中角栄を一番重要な、おもしろい、民衆の代表の政治家だと今でも思ってる。田中角栄は土建屋さん上がりですから、戦前から土建屋としてはい上がって、戦後の若い30代から政治家をずっとやってるわけですが、頭脳がコンピューターのようで、コンピューターつきブルドーザーと呼ばれた男で、『日本列島改造論』という本で書いた内容の政権公約を掲げた。

 そして、佐藤栄作という官僚上がりの政治家の後を継いで、田中角栄も佐藤派の中にいたんですけども、内部から次の首相として佐藤栄作直系の福田赳夫たちを追い落とす形で、政権をとったわけです。しかしアメリカに気に入られなくて、田中角栄はロッキード事件のスキャンダルで追い落とされていった。その前に金脈事件で『文藝春秋』という雑誌に刺されて政権を放り投げるわけです。1974年ですね。

 田中角栄は暴力団や右翼とはつき合わなかったんだけども、それでも実は、そういう勢力とのつながりのある実業家とは接点を持っていました。それは、皆さんも知ってると思いますが、箱根宮ノ下の藤屋旅館(ふじやりょかん)とか有名な立派な旅館をたくさん持ってる国際興業の小佐野賢治(おさのけんじ)です。小佐野という人と田中角栄は非常に近くて、ロッキード事件が起きてから小佐野も国会喚問されました。

 そしてこの小佐野と、児玉誉士夫はつき合いが深かったということで、やはりお金の裏側での動かし方というのがあったわけです。

 ここまでは小佐野、児玉という人物を話すための前振りです。あまり焦点がぼけてしまってはいけないのでもとに戻します。

 児玉誉士夫は戦後の右翼の頭目として非常に重要な人物です。戦前から右翼活動をやっていた人です。後で彼の経歴等は話しますが、戦後も非常に重要な人物で、政権をつくっていく形でお金や人間を動かしていくわけですが、実はアメリカが彼らを利用していった。

 重要なことは岸信介と笹川良一と児玉誉士夫らの関係です。この3人が、ほかの人たちもいるんだけど、巣鴨プリズンといって、戦後GHQの接収した池袋の隣の巣鴨の刑務所に戦争犯罪人、戦犯として収容されていた。そして、東条英機以下7人の軍人プラス外務官僚1人が絞首刑(こうしゅけい)になったのが12月23日で、今の天皇の誕生日のはずです。その次の日の夜、児玉誉士夫と笹川良一と岸信介が釈放されています。

 彼らは、本当は自分たちも裁判にかけられると思っていたわけです。しかし釈放した。裁判はなしにしてしまいました。これは一言で言うと、当時のアメリカの戦略が関係していました。

 それは反共産主義同盟という考え方です。彼らは中国大陸の侵略戦争とかで悪いことをたくさんしてきたけれども、中国やソビエト、ロシアとの戦いにおいては、アメリカとしては非常に極東で利用できる人材であるということで、米軍と裏でつながったわけです。

 もうちょっと言うと、米軍の中の調達担当将校 appropriation officer といいますが、これは物資を計画的に軍隊に配給したり、軍隊関係の会計や財務を全て握ってる将校で、日本でいうと「主計(しゅけい)」といいます。要するにお金を握ってる軍人たちです。

 彼らと相当深いつながりができて、そこに児玉誉士夫が、旧海軍が持ってた秘密の鉱物資源や財宝がたくさんある倉庫の場所を教えることで渡したんです。それのキックバックという形で1割、もしかしたら2割を児玉誉士夫がもらっているんですね。だから、児玉は日本の戦後で大きなお金を持っていたはずなんです。

 今申し上げた世界反共同盟ですが、これは英語ではブルワーク・アゲインスト・コミュニズムといいまして、反共産主義のための防波堤(ぼうはてい)という理屈ですね。その役割を戦犯だった3人に担わせたということになるわけです。

 児玉が中国大陸でつくった大きな児玉機関という組織があって、これはある意味で人殺しでも何でもできる恐ろしい人たちですから、そういう人間たちをアメリカは利用したんです。ですから、児玉は非常に力を持った。

 土肥原機関というのがあって土肥原賢二(どいはらけんじ)という男がいまして、軍人で、これは中将だったのかな、奉天特務機関―奉天というのは今の中国の瀋陽で、遼寧省の省都です―をしきっていました。それから、彼は上海特務機関の機関長をしていた。日本陸軍情報部の最高の地位にあった男です。絞首刑で東条英機たちと死にました。

 それから笹川機関というのもあって、笹川も同じような動きをしてて、児玉機関というのもあったわけで、この内部の細かいことは話しません。ただ、児玉と笹川のどちらが上だったのか問題というのが今もあります。

 熱海に戦後住んでた時期があって、熱海(あたみ)というのは稲川会の本部がずっとあったところです。私もいま熱海で仕事をしてますが。稲川角二が本名で、聖城というのが芸名みたいなものですが、この稲川聖城が92歳で5年ぐらい前に死にました。この稲川聖城という人は児玉誉士夫に心酔していた人です。つまり、児玉誉士夫の子分をみずから買って出た人。同じように住吉連合のほうも、児玉誉士夫を先生と言って尊敬したわけです。

 稲川会系は博徒というか、ばくち打ちたちの集まりということになってます。それに対して住吉連合のほうは、テキ屋さんの団体。テキ屋というのは、わかりやすく言うと、縁日のときのお寺や神社の前にずらっとタコ焼き屋や物売り屋さんが並びますが、あの人たちの連合体がテキ屋です。フーテンの寅さんたちがテキ屋で、江戸時代から存在したはずです。

 しかしテキ屋さんの連合体というけど、日本の暴力団の歴史は古くはありません。明治時代からずっとあっただろうと言うけど、そんなことはないんです。簡単に言うと、日本の暴力団が組織として明確に存在したのは戦後の話です。だから、70年の伝統がある程度です。組織としては暴力団というのはそんなに古い組織ではない。そのことも案外知られていない。

 ですから、アメリカ政府というか、駐留米軍が児玉誉士夫たちを非常に重宝がって利用した。この事実があまり語られない。あるいは、日本の検察庁や警察も児玉誉士夫たちに大変世話になってる。情報をとったり、あるいは警察上がりの人たちも、暴力団系、右翼系の組織で定年退職した後に面倒を見てもらってる人がたくさんいたんです。今もいると思います。

 ところが決定的な事実は、その後、児玉誉士夫たちがアメリカによって切り捨てられたということです。アメリカはもう児玉誉士夫たちを使わないということになった。それはいつかというと、それがまさしくロッキード事件でありました。

 ロッキード事件が表に出たのは、アメリカの上院のロッキード特別委員会で1976年に突如、コーチャンというロッキード社の社長がピーナツという呼び名でお金を渡したと話したわけです。それが日本にすぐ飛び火しまして、児玉誉士夫は8億5000万円の脱税容疑で起訴されました。これが1976年の3月13日です。

 その4カ月後の7月27日に田中角栄が、もう首相は辞任しておりましたが、田中派という大きな自民党の派閥を持ってたんですが、ロッキード社から5億円を賄賂として受領したという罪で逮捕されました。外国為替及び外国為替管理法違反(外為法違反)という容疑になるんですが、1976年にまとめて児玉誉士夫と田中角栄たちが処分されていたということです。

 ここを中心に考えるといいのですが、1960年安保闘争というのがあったんですが、1960年安保のときには岸信介政権を児玉誉士夫は一生懸命応援して支えてるわけです。それで、岸政権は安保条約を改定して延長していくために動いたんです。ところが、どうも真実は、10年置きに二つの国の政府が話し合って、安保条約の契約を更新するかしないかを決めるという条文があったようで、一方的に相手に対して安保条約を破棄する権利があるというような条文があったはずなんです。

 ところが、そういう動きは一切封印されていまして、今は日本の学者たちも話さないようになってます。1960年から後は新安保条約というんですが、それはもう永久条約になってしまって、条約を改定する条文が消えてなくなってしまったんです。それは非常に重要なことなんです。児玉誉士夫たちは岸信介を守ろうとした。

 新安保条約には「もっとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。」という条項があります。


 それに対して全学連(ぜんがくれん)というのがありまして、今の過激派、学生運動の日本の国の元祖になる人たちがいて、この人たちが反対運動をやって、何万人かが国会の周りで激しくデモンストレーションをやる。さらに日本全国の労働組合や学者たちの団体やメディアやいろんな団体、50万人ぐらいが国会議事堂を取り囲んだ。それが1960年の6月15日という時点です。

 このときに警官隊が計画的に西門の中から学生たちを1万人ぐらい国会の庭に入れておいて、その後一網打尽という形で袋小路というか、中に追い込んで、それから襲いかかったわけです。学生たちは散り散りばらばらに下の三宅坂のほうに逃げて、警視庁の中にまで塀をよじ登って逃げたり、もっと下のお堀に飛び込んだりしたような人たちもいたわけです。

 しかし、国民的な政治闘争の場なんですが、それでもどうも裏の秘密がいろいろあると。そのことを私は『日本の秘密』で書きました。あのときの学生運動の指導者たち、これは共産主義者同盟というんですが、この人たちはどうもアメリカのCIAに操られてたんじゃないかということで、そのときの最高幹部だった島成郎(しましげお)という人に直接インタビューしてずけずけ聞いてます。そこいらの話は『日本の秘密』に書きました。こういう話を孫崎享さんたちが私の本で読んで、本当は相当ショックを受けたはずなんです。

 田中清玄(たなかきよはる、たなかせいげん)という、おかしなトリックスターの男が出てきます。田中清玄は、児玉誉士夫が放ったヒットマンに銃で撃たれてますけど、死ぬことはなかった。相手の男を押さえつけたというような勇猛なことも田中清玄はやってる。しかし田中清玄の後ろにはどうもアメリカの影がある。田中清玄たちが全学連という共産主義者同盟という名前の日本の過激派の元祖の人間たちをうまく操ったと。

 何とこの全学連の学生たちは、青木昌彦(あおきまさひこ)以下10数人、安保闘争が終わった後アメリカに留学してるんです。そして、このときの安保全学連の幹部たちは50数人いるんですが、多くが中曽根康弘がつくってる世界平和研究所の理事とか役員をして、そこでご飯を食べ続けました。中曽根康弘の秘書で一番優秀で有能だったのが小林克己(こばやしかつみ)という秘書で、この人が重要だった。東原吉伸(とうはらきちのぶ)というのは安保全学連の会計担当の指導者です。森田実さんはこのときの国際部長といって、彼は砂川闘争とかの指導者もやったということになっていて、少し動きが怪しい。

 ということは、岸信介に反対する財界人の勢力があって、これをアメリカが応援し、そして学生たちをけしかけてる。日本共産党から分裂した、情熱に燃えた、正義感に燃えた若者たちを、アメリカとしては利用できると考えたわけです。それに資金を与えたり、人脈を配置して、安保闘争をやらしてるという面がどうしてもある。これが歴史の真実。

 ということは、民族派であり右翼暴力団系である児玉誉士夫たちのほうが正しかったんじゃないかという見方も成り立つ。だから、アメリカとしてはやがて児玉誉士夫たちを切り捨てる。

 ところが大事なことは、山口組と全学連は「安保反対」の動きを示したわけです。暴力団なのに。ここがおもしろいところで。山口組の三代目は田岡一雄(たおかかずお)というんですが、これは美空ひばりを育てて死ぬまでずっとかわいがった、愛人にしていた男です。

 田岡一雄は1981年に死んでますが、神戸芸能社というのをつくって、今の日本のテレビ局の番組に出てくる歌手や芸能人たちの恐らく半分近くが山口組系の事務所に世話になっています。吉本興業も大きくは山口組系のお笑い芸能人の団体なんです。もっと複雑なことを言うと、山口組五代目の渡邉芳則(わたなべよしのり)の系統が関東に進出してきた吉本興業系で、それに対して司忍(つかさしのぶ)という六代目の今の組長たちの系譜が、今でもなんば花月劇場などに残ってる古いほうの勢力としての吉本興業だと思います。

 もっと話を飛ばして先へ行きますと、一番最初に言った新聞記事の中で、4人の山口組の最高幹部たちを組織犯罪者の人間として、アメリカ財務省が経済制裁を科すと発表したということです。

 これはどういうことかというと、ずばり言いますと、山口組は大きな組織ですから4兆円ぐらいの現金を動かしてるはずなんです。日本国内に現金、すなわちお札は90兆円から100兆円ぐらいあると思いますが、まあ、90兆円かな、90兆円ぐらいのうちの4兆から5兆の現金を山口組系が動かしてる。

 彼ら組織暴力団は帳簿等をほとんどつけませんので全て現金決済ですから、国税庁や税務署としてはとても中に踏み込んで入っていけるような人たちじゃない。暴力団の事務所まで「税金を取りに来ました」と言える国税庁の職員は誰もいません。非課税団体なんです。ですから、現金だけでやりとりしてます。この現金を消してしまえというのが、今のアメリカ財務省の動きなんです。

 これはどういうことかというと、来年再来年には世界金融恐慌に突入します。しかし、金融恐慌に突入してるということを阻止するために何をやるかというと、恐慌ではないというふりをするために統制経済に入っていき、金融統制を徹底的にやる。わかりやすく言うと、生活費としてのわずかの数十万とか数百万円ぐらいのお金以上のものは持たせなくするという動きになる。それを実はアメリカ財務省が仕組んでいるわけです。

 ですから、山口組を潰すという判断をアメリカはしたんです。正式にはオバマ大統領が2011年の7月に日本の暴力団を犯罪組織として認定した。ですから、このときから山口組を潰すという動きにアメリカ政府が出たということです。

 山口組を育てたのはアメリカなんです。戦後すぐの1947年から三代目田岡一雄ですが、神戸の沖仲士(おきなかし)たち、港湾荷役の仕事をしてる人たちの元締め、手配師の仕事をしてるわけです。これが本には書いてあるんだけども、なかなかみんなに知れ渡らないのは、朝鮮戦争が次に始まりますから、日本は朝鮮戦争をするための後方基地になったわけです。

 ということは、日本の主要な港、佐世保や神戸や横浜、横須賀、東京港、これらの大きな港湾に、アメリカの軍事用の輸送船等が何千隻も実は入ってくるんです。それの荷物の上げおろしをする沖仲士、荷役、人足たちを全て一番よく知って束ねてるのが山口組です。だから、山口組に全国制覇を許したわけです。だから、アメリカ政府が山口組を育てたんです。ここが重要なところでして。

 なぜなら当時1950年から朝鮮戦争が勃発して1年間激しい戦いをやるわけですが、物資の補給と輸送がうまくいかないと戦争は継続できない。ですから、山口組の田岡一雄を積極的に育てた。ということは、神戸以外のほかの港湾荷役労働者たちも山口組が組織してるから、例えば小泉純一郎という人は横須賀で、小泉又次郎という背中に入れ墨を入れた政治家の孫ですが、その人は稲川会系と言われてます。港湾労働者には米軍の船の修理やいろんな港湾の仕事があるんですが、しかしそこに影響を与えてたのは山口組系だと思います。

 そして、その山口組をもう要らないと2011年にアメリカ政府、つまりアメリカ財務省が決断してる。それは現金での取引という経済システムを潰してしまいたいからです。そのためには各国の税務当局が情報を共有する大勢にするのがいい。

 日本国を金融統制体制にして、全てのお金の動きを政府が管理するという段階での一番の障害要因だからです。個人はお金でスーパーで買い物をしてるわけですが、法人の場合、送金とか支払いとか契約のお金を決済するには全部銀行送金をしろと。あるいは振替でやれというふうに政府が厳しく国民を統制しつつあります。その動きの一環なんです。そのために地下経済というものを体現している山口組をお役御免にするということなのです。

 あと、山口組の歴史として私が話すべきは、これと同じことがイタリアでもあった。それは私の映画評論集の中で書きました。これもおさらいになりますが、重要な話なのでもう一回やります。

 ラッキー・ルチアーノというイタリア系マフィアの、ニューヨークに住んでた最高幹部がいます。「ラッキー・ルチアーノ」(「伝説の犯罪者たち:ラッキー・ルチアーノ編」)という名前の映画があるわけですが、イタリア人の監督や俳優たちがつくったすばらしい映画です。この「ラッキー・ルチアーノ」を改作したというか、泥棒してまねしてつくったのが「ゴッドファーザー」です。本当の話はこのラッキー・ルチアーノという人物の話なんです。実在の人です。

 どういうことかというと、シシリー出身の貧しいイタリア人たちがアメリカに下層白人として流れ込んできて、自分たちの生きるための厳しい団結をやるわけです。このイタリア系移民たちの団結したものをマフィアというので、その正式名称がコーザ・ノストラというわけです。「コーザ・ノストラ」という名前の映画もありますが、コーザ・ノストラというのは、英語でいうとour causeといいまして、「我らが大義」、「大きな生きる目標」というような意味です。貧しいイタリア系の移民たちが団結して生き延びていく組織という意味ですが、我らが大義という組織は生活共同体、利益共同体です。だから、それが暴力組織だとか犯罪組織だと決めつけてはいけないわけです。

 このラッキー・ルチアーノが最大のマフィアの親分で、それに比べれば、2番目に大きな都市シカゴ、日本でいえば東京に対して大阪みたいなもんですが、それの最高幹部がアル・カポネだったわけです。だから、カポネよりもラッキー・ルチアーノのほうが格は上です。マフィアの最高会議をやると、ラッキー・ルチアーノがそれを主催してたわけです。今でもニューヨークには港湾労働者やいろんな種類の労働者たちが五大ファミリーといいまして、あるんです。建設会社とかも。その五大ファミリーは、ラッキー・ルチアーノの次の人物のさらに次で、本当のことを言うと、マイケル・ブルームバーグというのがユダヤ系の元締めです。

 前のジュリアーニ・ニューヨーク市長がいまして、この人は検察官上がりで、ニューヨーク市の検察庁長官みたいな人ですが、この人自身が本当はマフィアそのものであって、ラッキー・ルチアーノの後釜だったでしょう。9.11事件の後、瓦れきの鉄骨や廃材をきれいにさっと片づけたのがジュリアーニの最大業績と言われていますが、それはニューヨークのマフィアたちが動いたからです。それで、マイケルもその系統の人だと言われてます。ニューヨーク市長を最近やめました。

 何でラッキー・ルチアーノが重要かというと、戦争中にイタリアはムッソリーニ政権だったわけですが、ムッソリーニと盟友関係にあるドイツのヒトラーのナチス政権と同盟関係にあった。イギリスがドイツからの爆撃を受けたりして大変だったわけですが、アメリカが一生懸命物資補給を輸送船でやったと。

 大きな輸送船で何百隻もイギリスに物資補給したわけですが、何と情報が漏れていて、アメリカの輸送船団が大西洋を渡ってくるときに、何だかわからないけどもドイツのUボートという潜水艦部隊に待ち伏せ攻撃を食らって、私も実物を見たことがありますけど、かれこれ(長さ)10メーターぐらい、直径1メーターぐらいはありそうな、ものすごい大きな鉄の棒ですが、あの魚雷でどんと、それこそ1万トン2万トン級の輸送船がどんどん撃沈されていったわけです。これじゃたまらん、戦争遂行できないということです。

 そこでわかったのが、ニューヨークやアメリカの主要な都市の港湾で働いてるのは下層白人であるイタリア人で、一歩下を見たらもう黒人だというような世界であることです。つまり、そこの港湾労働者や船乗りたちはイタリア系が非常に多く、その人間たちをラッキー・ルチアーノが束ねてたというか、上から統制してたわけです。

 アメリカ政府はラッキー・ルチアーノと取引をして全米、すなわちアメリカ全土の主要な都市の麻薬と売春とお酒のビジネスを全てルチアーノに任せる、許す、黙認するということですが、そのかわりに船乗りや港湾労働者たちからアメリカの輸送船の情報が漏れないようにしてくれと。

 すなわち、ムッソリーニ政権にアメリカからの輸送船の情報が伝わって、そこからドイツのカール・デーニッツという海軍提督――全体のUボートの最高指揮官で非常に優秀な軍人だった彼のところに流れていたわけですが、それを阻止するために、イタリアマフィアはシシリー島出身ですから、シシリー島出身のマフィア全体をラッキー・ルチアーノに管理させた。

 ですから、アメリカの陸軍第5軍というのは、もっと近くのジェノバあたりから上陸すればいいのに、シシリー島から上陸して攻め上がっていって、もうムッソリーニ政権は倒れてたんだけど、ドイツのほうまでずっと攻めていったわけです。そのときにラッキー・ルチアーノ系をアメリカ政府が抱き込んで、育ててるということです。

 こういうドラマがあった。それと同じことを日本の山口組に対しても行ったわけです。ですから、アメリカ政府は自分たちの役に立つ勢力として日本の山口組を育てたということです。

 戦後すぐはまだベルトコンベアもなければ、ガントリークレーンというんですが、大きなクレーンで、赤と白の縞(しま)の入ったいかにもラクダそっくりのが港湾にあって、スターウォーズの映画に出てきた巨大なロボットラクダの群れはガントリークレーンそのものですが、それもなかった。今は大きな起重機、ガントリークレーンがあるからいいけど、昔は人間が運んでたわけですから、沖仲士たちが非常に重要だったわけです。そして、もう今は要らないということになったと。

 だから、帳簿もつけないで政府に把握されない形での現金の4兆円を消してしまえということで山口組。こういう山口組につながっている自民党の汚れた汚い政治家たちを一掃せよということになるわけです。

 アメリカ政府というのは、汚い暴力団みたいなやつは社会の害虫だから潰してしまえという動きに出ているのですが、同時に自分たちのほうが巨大な悪でありまして、そこのところはじっと見てなきゃいけないと思う。それで、この流れをいま説明した。

 あと一つ非常に大事なことは、児玉誉士夫がたどった歴史で、今回は話しません。次回またやりますが、1960年安保のころに、住吉会や稲川会の1万人とか2万人の暴力団(員)に制服みたいのを着せて、学生や労働組合員たちと立ち向かって乱闘させるという行動に出たわけです。実際に待機させたりしてたわけです。

 これはアメリカではピンカートンという言葉であらわせる。探偵事務所なんですけど、そんな甘いものじゃなくて、労働者のストライキや労働組合運動が非常に激しくなるときは、経営側は500人や1000人どころか2000~3000人の、ピンカートンという会社からの労働組合と闘う暴力団的な人間たちをアメリカでも雇います。そのピンカートンの役割を果してるわけです。

 ところが、不思議なことに、学生や安保改定反対闘争のほうに山口組がいたわけです。で、全学連の最高幹部たちは安保闘争の後、神戸の山口組事務所でぶらぶらと働いていたりする事実もあります。

 私が最近読んだのは、大下英治(おおしたえいじ)という雑誌記者上がりの評論家がいるんですが、この人の『児玉誉士夫闇秘録』という本です。イースト新書というところから、つい最近出た本です。私は大下英治という人の名前はずっと知ってましたが、文藝春秋で10年雑誌記者で働いていて、その後独立して、私より9歳上の人だからもうじいさんです。この人が書いた本で『児玉誉士夫闇秘録』という名前になってますが、これは裏を読むと、2006年の『黒幕―昭和闇の支配者』という大和書房から出た本を、もう一回手を入れ直して文庫にしたやつです。非常にいい本でした。

 この本を読んで、私が一番びっくりした重要な事実は、暴力団対策法(暴対法)のことはちょっと頭のいい人なら知ってて、もっとリベラル派の弁護士や市民運動家は、暴力団にも人権がある、暴対法に反対しましょうという運動もやってたことがあります。

 しかし、もっと重要なことは、その前に、安保闘争が終わった後の1962年ぐらいから児玉誉士夫は全国の全ての暴力団と右翼の団体の総元締めとして大きな組織をつくったんです。これの名前はですね……。まあ、暴力団と右翼が全てでまとまりまして自民党にけんかを売ったわけです。

 これがすごいことでありまして、最初は山口組の最高幹部の田岡一雄なども児玉誉士夫の下に入る形で、関西のほうの責任者の形でこの団体に加盟していたわけです。それが東亜同友会(とうあどうゆうかい)という名前で、何をやったかというと、自民党にけんかを売った。自民党が見苦しい派閥争いなどをしているようでは日本の国のためにはならないみたいな声明文を出したんです。

 これが自民党を怒らせたというか、池田正之輔という読売新聞上がりの、本人もちょっと任侠、やくざ者がかった政治家なんですが、池田正之輔が次のようにしゃべってる。これは199ページです。ある特定の団体が特定の政治家を脅したことは今まであったが、暴力団が団結して連名で自民党に圧力をかけてくるなどということは、日本の政治の歴史上かつてなかった、これがゆゆしき問題だということで、この日から関東会7団体の粉砕の指示を検察庁と警察庁に出してるわけです。

 すなわち、右翼、暴力団系と党人派の政治家、このときは河野一郎という若くて元気な政治家がいたんですが、その人たちに対して官僚派が動いたわけです。そして、次の年の1964年(昭和39年)の2月に警察庁内に組織暴力団取締本部というのが設置された。そして、ここで行われたのが第一次頂上作戦というやつです。その3月に稲川会や住吉連合など10団体が広域暴力団として指定されたわけです。

 最初のほうで話した暴対法が1992年にできたよりもさらに30年前にこの動きがずっとあったわけで、すなわち日本の官僚系の人間たちが暴力団や右翼たちをたたき潰すという動きに出てた。これの頭目が児玉誉士夫だったわけです。

 ただし、まだ児玉誉士夫はその後20年間は活動していて、1976年のロッキード事件で起訴されて裁判所に出廷させられて、やがて死んでいくわけです。第一次頂上作戦という言葉だけはわかると思うんですが、何百人もこの時期に暴力団系が逮捕されている。わずかな罪でどんどん牢屋に入れられていったはずです。

 暴力団というのも、戦後の、まだ焼け跡のはげ上がった、本当に混乱して貧乏な日本の社会に生まれた組織であって、これは江戸時代とかの清水次郎長一家みたいな美しいお話になったりもするけれども、本当は連続的につながっているわけでも何でもなく、伝統や儀式とかすばらしいものがあるわけでも何でもない。彼らというのは本当に生活共同体ですから。

 もっとはっきり言うと、精神障害者に近いような人たちで、普通の生活ができないような人たちです。あるいは、死ぬほどばくちが好きとか、人間的欠陥を持ってる人たちですから、暴力団というのは本当は「福祉団体」であると私は思います。彼らが犯罪を起こして刑務所に入れられたときは、国家による福祉団体。出てきたら普通の暮らしはできないし、生きていくのが非常に厳しいわけですから、自分たちだけで生きていける特別な福祉団体であるところの暴力団を組織してるんだとも思ってます。ただ、そういうことを書くと、出版社が副島隆彦の文章のそこのところを削ります。

 1962年から1964年にかけての児玉誉士夫の闘いというのがあって。すなわち自分は自民党の世話になんかなってない、自分が自民党という政党をつくったんだという意識を持ってるわけです。

 それに対して位置しているのが、同じく巣鴨プリズンから釈放された戦犯の笹川良一(ささかわりょういち)の勢力です。がつくってる日本船舶振興会というやつですが、それが笹川財団。アメリカではUnited State-Japan Foundationといいますが、ここは一番悪い団体で、アメリカに忠誠を誓ってて、今も中国をたらし込むための活動とかをしています。いまは笹川平和財団といいます。

 官僚たちや、テレビ・新聞の部長たちや、検察や警察の最高幹部たちまで秘密で、アメリカのマイケル・グリーンやアーミテージたちの指揮を受けて小沢一郎を潰した団体があるんですけど、それも笹川財団の中で行われていたはずです。それから橋下徹、日本維新の会などを資金面で応援して育ててるという面もあります。もっと恐ろしい宗教団体とも絡んでます。

 だから、笹川良一は児玉誉士夫より少し格が上ということになってますが、彼ももう20年前に死んでますが、本当は児玉誉士夫のほうが真っ当な男だったんじゃないかと私は思う。笹川良一たちは最後まで上手に生き延びて、アメリカの汚い裏の政治のところにかかわり続けたんだと思います。

 目の前に『われかく戦えり-児玉誉士夫随想・対談』という本があって、これは1975年廣済堂出版刊です。それから、『獄中獄外-児玉誉士夫日記』という本。これも廣済堂出版で1974年。それから、1972年の『風雲-児玉誉士夫著作選集』というものもありまして、こういうのも持って読んでます。

 ただ、大下英治というのは文春のトップ屋ですから、アメリカのアの字も出てこない本を書くやつで、要するに文春というところでずっと記者をやってた男ですから大したやつじゃないんですが、でも、事実関係だけはきちんとされている男です。

 この本の例えば196ページに書かれているように、関東七社会が昭和38年(1963年)につくられてるわけですが、ここで一応名前だけ挙げてる人たちが日本の戦後の一番重要な暴力団の親分たちです。

 稲川会会長の稲川角二と住吉会会長の磧上義光(せきがみよしみつ)、それから松葉会の藤田卯一郎、それから日本国粋会の森田政治、義人党という団体の高橋義人、それから東声会(とうせいかい)といって、これは力道山を育てたような人ですが町井久之、それから北星会の岡村吾一、この七つの団体の上に児玉誉士夫がぽんと乗っかるという形になっていた。

 もうこの人たちも全部死んでいますが、これらの人々が日本の暴力団や右翼の最高幹部たちなわけです。ですから、私はここに至る流れをずっと説明してきました。

 児玉誉士夫について戦争中や戦前何をしてたのかという話は今日はしません。山口組をアメリカがいま捨てようとして、それは緊急の金融統制体制に日本が持ち込んでいくために重要な段階に来たからだということをご理解ください。終わります。

<参考記事>

米メディアが衝撃報道 「東京五輪はヤクザ・オリンピック」

2014年2月13日 掲載
JOC副会長と森元首相の“黒い交際”指摘


「The Yakuza Olympics」――。月間1500万の読者を抱える米国最大級の老舗ニュースサイト「デーリー・ビースト」が、こんなタイトルのリポートを掲載し、世界に衝撃を与えている。東京五輪のキーマンと広域暴力団のつながりにスポットを当て、6年後に対する懸念を示したものだ。

 そのひとつが、JOC副会長の田中英寿氏(日大理事長)と指定暴力団住吉会の福田晴瞭会長の関係。〈田中英寿氏は福田会長と過去においてよい友人であった。また彼が山口組のボスの少なくとも1人、さらにはほかの暴力団の構成員とも友人関係を維持していることを示す書類もあった〉と紹介している。

 また、組織委員会会長に就任した森喜朗元首相についても、〈以前にヤクザとつながりがあったと日本の報道機関(毎日新聞、週刊文春など)が報じている〉〈森氏は犯罪組織のボスの息子の結婚式に出席したし、ヤクザが支援する右翼団体のリーダーと親しかった〉と指摘。〈警察筋によると、この両名が過去にどの程度ヤクザと関わりを持っていたか、そして犯罪組織と現在つながりがあるかについて、調査中であるとのことだ〉と書いた。

さらに、2020年のオリンピックの建設費用が38億ドルと推定されているとした上で、〈田中氏、あるいは森氏さえもが犯罪組織を五輪へつなげる口利きの役割を果たしているかも知れない、と警察は心配している〉と続けているのだ。

 もちろん黒い交際は昔のことかもしれないし、暴力団への利益供与を考えているかも不明である。だが、「スポーツを実践することを通じて若者を教育し、平和でよりよい世界の建設に貢献する」(オリンピック憲章)という哲学にかなう人物とも思えない。

 リポートを書いた「デーリー・ビースト」の調査報道記者、ジェイク・アデルシュタイン氏が、改めてこう言う。

「日本の広域暴力団は米国政府のブラックリストに載っています。米国内の資産は凍結され、米国内の企業との取引も禁止されている。今も付き合いがあるのかどうかは分かりませんが、少なくとも彼らがJOCの副会長や組織委員会の会長を務めるのは、米国の政府にとっても選手にとっても良くないこと。五輪に関与することには疑問があります」

 米ニュースサイトの報道について、JOCは「特にコメントしない」としたが、このまま開会式を迎えれば、日本は世界の恥さらしになってしまう。

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海外口座情報を共有 課税逃れ防止、G20合意へ 国税当局間にオンライン
日本経済新聞 2014年2月8日

 日米欧など主要20カ国・地域(G20)は資産隠しや税逃れを防ぐため、課税対象者が海外に持つ銀行口座の情報を得やすくする新たな仕組みをつくる。22、23日にオーストラリアで開くG20財務相・中央銀行総裁会議で合意し、2015年末までの導入をめざす。把握が難しい海外の口座情報を税務当局がオンライン上で提供し合う。主要国が連携し、課税回避の動きに歯止めをかける。
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 G20で、34カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)が非居住者の口座情報を多数の国で共有する新たな統一ルールを提案する。対象となるのは、その国に住んでいない人の口座の名義人や口座の残高のほか、海外との資金のやりとりなどの情報だ。

 外国にある金融機関の口座情報は把握が難しく、税逃れが各国で問題になっていた。今後は各国の金融機関が定期的に情報を入力し、国税当局間のオンラインネットワークで公開する。税務当局は課税対象者の海外の口座情報を瞬時に得られるようになる。

 各国はこれまでも課税逃れを防ぐため、互いに租税条約を結んで情報を共有してきた。11年に欧州有名ブランドの元日本法人社長の遺族がスイスの金融機関に遺産約25億円を隠していたケースなど、悪質な際は税務当局が個別に連携してきた。

 ただ通常は海外からの入金情報などを一度CDに記録して不定期で相手国に送る程度だった。国によっては2年に1度しか情報提供がないなど、情報収集や分析に時間がかかっていた。

 新しい仕組みでは、オンラインシステムを通じて常に最新の情報が把握できるほか、入金情報だけでなく口座残高などの情報も共有する。例えば、日本人のAさんが米国の金融機関に1億円相当の預金を持っていても、海外との資金移動がない場合は日本の国税当局は把握が難しかった。今後はAさんに脱税の疑いがあればすぐに米国の口座情報を得て調査できる。

 新たな枠組みには中国などG20メンバーの新興国も加わる見通し。英国が参加するため、タックスヘイブン(租税回避地)の英領ケイマン諸島なども対象になる予定。今後はOECD加盟国にも参加を呼びかける。

 ただ金融機関にとっては手間やコストなど負担が増すほか、非居住者の口座情報すべてを提出することに慎重な国が出る可能性もある。参加国を増やし、実効性を高められるか課題も残る。