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2014年11月1日土曜日

上州内乱か? 小渕優子後。

アルルの男・ヒロシです。今日は2014年10月31日です。

 小渕優子の後援会主催の観劇会の収支報告をめぐる問題で、自民党内部からも議員辞職論の声が上がってきた。これに対して、小渕とその所属する額賀派では、「まだ辞職には及ばない」という擁護論がある。

 ただ、東京地検特捜部への告発を受け、すでに小渕優子の群馬県での「城代家老」の中之条町長の自宅が特捜が家宅捜索している。ここを立件するかが直近の重要なポイントになると思う。この折田中之条町長は収支報告の記載漏れは「故意ではない」と否定している、殿報道がある。

 私は大臣ではなく議員の進退を決めるのは選挙であるべきだと思っているので、特捜部を使った政治家の追い落としには極めて否定的な立場を取る。

 ただ、仮に議員辞職になった場合、群馬5区では補欠選挙が行われることになる。その際に小渕以外の誰が立候補するか。この点では今週の「週刊文春」に、「小渕優子ワイン疑惑を告発した中曽根支持者」という記事が載っているのが重要だ。ワイン問題とは小渕優子の秘書が配っていたものとされ、小渕優子の顔写真がデザインされている非常に悪趣味なデザインのワイン2本セットのこと。

 週刊文春によるとこのワインをテレビ取材に応じて告発した男性が地元では有名な中曽根支持者だという。この記事の内容が事実かどうかは分からないが、調べてみると、小渕家と中曽根家の間では旧中選挙区制時代から続く因縁があるのは確かなようだ。

 群馬県は中曽根康弘、福田赳夫、小渕恵三と3人の総理大臣を輩出。現在、中曽根家からは大勲位の息子の弘文が参議院議員にいる。中曽根康弘は小選挙区制の導入の時に、橋本龍太郎総理の仲介で比例代表(終身一位)に回ることで、経世会の小渕恵三が群馬5区から立候補することになった。

 中曽根弘文の息子の康隆が現在は弘文の秘書をしているが、いずれは政治家になるだろうと思われる。中曽根弘文は自分のブログで康弘、長男の弘文、そして娘の文子(日本交通の社長の川鍋氏に嫁入り)をフィーチャーした記事を定期的に載せているが、この内、秘書の康隆の写真を見ていると地元の祭りに参加したり、アメリカに自民党現職議員らに引きつれられて訪問してジャパン・ハンドラーズらと面会しているなどの記述があるからだ。

 それによると「具体的に会った人々はアーミテージ元国務副長官、マケイン上院議員、ラッセル国務次官補、キャンベル前国務次官補、CSIS・ブルッキングス・カーネギー等のシンクタンクの有識者、その他沢山の共和党・民主党両方の上下院議員」ということであり、この康隆は弘文の引退前に政治家になるのは間違いないだろう。

 康隆はコロンビア大学留学組であり、小泉進次郎と同じジェラルド・カーティスに師事していると思われる。カーティスの娘と進次郎、康隆が三人で一緒に写っている写真も掲載されている。

 そこで降って湧いたような小渕家のスキャンダル。小渕優子は平成研究会のプリンセスとして土着勢力によって大事に育てられてきたが、城代家老のミスによりピンチに陥っている。

 また。群馬県には中曽根家のライバルである福田康夫の息子の達夫が前回の衆院選で当選している。福田達夫は三菱商事出身だが、やはりケント・カルダーのいるジョンズ・ホプキンス大学SAIS出身である。SAISといえば民主党の長島昭久、山口壮が卒業生だ。ただ、それでも自民党青年局所属だから、進次郎=グリーンのグループに所属していると見るべきだろう。進次郎はカーティスでコロンビア大学で育てられ、CSISでは辻清人衆議院議員とともにグリーンの薫陶を受けている。

 あと気になるのが、加藤紘一の娘の加藤鮎子。宏池会系の谷垣派に所属して次の選挙に立候補するようだが、コロンビア大学を出ている。

 自民党の若手政治家は、アメリカ留学ばかり。欧州留学派や中国留学派があまりにも少なすぎる。

 そして牛耳っているのがマイケル・グリーンCSIS上級副所長。「影の総理」として安倍晋三を支えてきた男だ。その上にはナイ、アーミテージがCSISの理事として陣取っている。外務省がこれらのジャパンハンドラーにベッタリと従っている。

 民主党政権の時は、ひたすら外務省と一緒になって小沢・鳩山のような「多極型政治家」を叩いてきたハンドラーたちだが、安倍政権になって統一教会系勢力が表に出てきて、中韓との関係に緊張を与えると、アメリカの国益を踏まえて、歴史認識の面では安倍晋三をけん制する日本の保守親米派からすれば「つれない」発言をするようになった。

 アメリカは日本が左右の面で日米同盟の相手として相応しくない方向に行かないようにするために、ハンドラーとカウンターパートの人脈を強化しているということだろう。

 そういうふうに見ていくと小渕優子が辞職するような事になれば、日本の中の貴重な勢力がひとつ消えていくということだといえると思う。

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