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2014年11月2日日曜日

惨状(カジノ:アメリカ)

以前、アトランティックシティーでカジノが相次いで破たんし閉店していると書きましたが、今日、AFP-時事通信は現場を取材し、よりひどい惨状を報じています。

また、ラスベガスでも客が居なくなってきており、ショーがどんどん取りやめになってきており、今までラスベガス=大人の遊園地、という状態ではなくなってきているのです。

ラスベガスはカジノだけではなく、超高級レストラン(総額で何十億円という本物(とうたっていますが)のピカソの絵画を飾っているフレンチレストランや超高級中華レストラン、当日ではまず予約が取れないというステーキハウス等々があります)やショーもブロードウエーミュージカルやセリーヌ等の超有名歌手のショーをやったりしていましたが、今やそのミュージカルやショーもどんどん消えていき、カジノも閑古鳥が鳴いている状態になりつつあります。

カジノで遊んで楽しんで、そしてあわよくば一攫千金という中堅層が消えてしまったのです。

勿論、低所得者層はカジノに来ていますが、それはダウンタウンの昔ながらのカジノであり、ベラージオ・シーザーズパレス・MGM等の超高級カジノは、それ相当の服装も必要であり、敷居が高いために来ないのです。

カジノホテルはある程度余裕のある中堅層から富裕層が対象になりますが、富裕層はさほど変わっておらず、相変わらず来ていると言われていますが、絶対的な数は少なく、VIP(ハイリミットエリア)で遊んでいるようですが、問題は有り金すべて使い、更にはクレジットカードからお金を引き出す中堅層の激減なのです。

彼らが一番カジノにとり収益になるのですが、この無茶苦茶にお金を使う中堅層の収入が伸びておらず、反対に減らしている者も多く、カジノで豪遊という訳にはいかないのです。

これはベガスだけではなく、今回取り上げられましたアトランティックシティーでも同じはずです。

日本はカジノを合法化して経済効果云々と言われていますが、今、世界で起こっていますカジノ大不況を見ましてもカジノをやって経済効果があると言い張る連中の裏にはとてつもない何かが潜んでいるかも知れません。

カジノは設備(装置)産業ではなく、サービス産業であり、テーブルゲームであれば、ディーラーのスキルやマネージャーのスキルが大きく左右することになります。
それは一年、2年で取得できるものではなく、何年もの経験が物を言います。
そのような経験は日本人にあるでしょうか?

また、大挙してプロ集団が入り、またいかさま軍団が来たらどのようにして見抜くのでしょうか?
ベガスのカジノにはそのような専門部署があり、警備員は拳銃も持っており、いつでも発砲できますが、
日本は警官が発砲するだけで問題が起こる国であり、とてもプロ集団や強盗団には太刀打ちできるものではありません。



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<報道>


ぎらぎらと輝くカジノの光、砂浜、大西洋を眺めながらジョギングできる板敷の遊歩道――アトランティックシティー(Atlantic City)は30年近くもの間、人気のリゾート地だった。だが、米東海岸のギャンブル産業を独占してきたニュージャージー(New Jersey)州の「至宝」は今、苦境に陥っている。


ニューヨーク(New York)から車で2時間。ボードゲーム「モノポリー(Monopoly)」の盤面にもなり、米人気ドラマシリーズ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街(Boardwalk Empire)」の舞台ともなったこの街では、今年に入って既に4軒のカジノが閉店した。

 1月13日に閉店した「アトランティック・クラブ(Atlantic Club)」に続き、8月末で「ショーボート(Showboat)」が、9月4日には「レベル(Revel)が営業を終了。同16日には「トランプ・プラザ(Trump Plaza)」が、1984年から掲げてきた看板を下ろした。そして、11月には「トランプ・タージマハール(Trump Taj Mahal)」も閉店する予定だ。

 住民の4分の1が貧困ライン以下で生活するアトランティックシティーで、カジノで働く人は3万2000人。そのうち8000人が職を失った。

 背景には、近隣のメリーランド(Maryland)州やペンシルベニア(Pennsylvania)州、ニューヨーク(New York)州にできた新しいカジノホールとの競争がある。衣料・サービス産業労組「ユナイト・ヒア(Unite Here)」第54支部のロバート・マクデビット(Robert McDevitt)支部長によれば、東海岸北部ではカジノがかつての6倍に増えた。


「失業問題だけでなく、カジノに頼っている流通やサービス業にも影響は波及するだろう」と、ストックトン大学(Stockton College)ロイド・D・レベンソン賭博・サービス業・観光研究所(Lloyd D. Levenson Institute of Gaming, Hospitality and Tourism)のイジー・ポスナー(Izzy Posner)所長は懸念する。

 ポスナー氏によれば、アトランティックシティーのカジノ収益は、2006年のピーク時には年52億ドル(約5800億円)に上った。しかし、その後、より大都市に近い近隣州のカジノとの競争が激化。ニュージャージー州賭博規制局によると、今年1~8月のカジノ収益は、前年同期の19億7000万ドル(約2200億円)から6.3%縮小し、18億4000万ドル(約2000億円)にとどまっている。

 

 遊歩道で客待ち中のハイチ人だという20歳の人力車の車夫は、「明日で廃業だ。別の仕事を探すよ」と言った。遊歩道沿いで20年営業してきたというパキスタン人の衣料店店主も、今年に入って売上が3~4割落ち込み、家賃の値下げを交渉していると語った。「あちこちで店じまいしている。(街を)出ていく人も多い」

 閉店のときを数時間後に控えた「トランププラザ」では、80年代のレトロな花柄絨毯が敷かれた洞窟のような店内にシュールな雰囲気が漂っていた。24時間オープンのカフェには、顧客に感謝と別れを告げるメッセージが貼られていた。レストランは全て閉まり、残っている数少ない客は悲しそうだった。

 ルーレット係のミシェル・ニデッガー(Mychele Nydegger)さん(62)は、不安を隠せずにいた。「24年間ここで生きてきた。人生のほぼ半分、30年働いてきた人もたくさんいる。なのに、今になって追い出されるなんて。皆、怒っている」。別の州に移住してまで仕事を探すには、年を取りすぎたという。

 カジノから解雇された人々のための相談窓口を開設した「ユナイト・ヒア」のマクデビット支部長は、失職者の3分の1が引退し、3分の1が別の地域へ引っ越し、残る3分の1がサービス産業での再就職を目指すとみている。

 

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