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2014年5月27日火曜日

「フランスで若者の国外流出が続いています、イギリスでもドイツでもイタリアでも:内田樹氏」

「フランスで若者の国外流出が続いています、イギリスでもドイツでもイタリアでも:内田樹氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/14262.html
2014/5/26 晴耕雨読
フランスで若者の国外流出が続いています。
現在、外国在住フランス人は160万人ですが、毎年増加しています。
大学生のうち「外国での就職」を考慮しているものは27%(うち28%は「一生外国にいてもよい」と回答)。
これほどの規模の流出が社会に与える影響は甚大と思われます。
でも、イギリスでもドイツでもイタリアでも人口流出はフランス以上だそうです。
要するに、高学歴・高スキルでかつ起動性の高い人たちがEU内部でより有利なポストを求めてぐるぐる移動し続けているということなんでしょうかね。
こういうのなんていうんでしょう「花見酒移民」かな。
前から書いていることですけれど、これからの階層化の指標は学歴とか資産とか文化資本とかではなく、端的に「機動性」(mobility)になると思います。
自分の祖国ではないところでも快適に暮らせる能力の有無が格付けを決める。
日本語しか話せない、日本食しか食えない、日本の風土でしか生きられない、日本人が欲しがるものしか作り出せない、日本の生活文化の中にいないと生きた心地がしないという「機動性の低い」人たちは新しい階層社会では最下層に位置づけられることになります。
つまり、「日本語がなくなっても、日本の風土が失われても、日本文化が消え去っても別に困らない」というグローバルな人たちが階層上位を占めて日本の国政の舵取りを委ねられることになるということです。
「船が沈没するときに乗客を置き去りにして一番先に逃げ出せるくらいに目端の利く人間に船の操縦を任せるべきだ」というのはたしかに一つの見識ではありますが、僕はそんな船には乗りたくないです。
 

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