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2013年12月7日土曜日

私たちは、もうブレーキのきかない暴走機関車に乗っている

2013年12月5日 Darkness - ダークネス

資本主義というのは、「金」中心主義である。金がなければ生きていけないという社会だ。当然、金を巡って「競争」が生まれることになる。
金だけはすべてではないと言いつつも、人々は否が応でも「金をいかに手に入れるか」ということを、朝から晩まで考えて生きていくしかない。
それができないと、生活できないからだ。あなたもそこから逃れられない。誰もがその競争に放り込まれる。
競争が生まれるということは、勝者と敗者が生まれるということだ。大金を手に入れる人と、すべてを失う人が生まれて、どんどん社会的な格差が広がっていく。
この競争はやがて世界規模のものになって、競争はいよいよ熾烈なものになっていった。社会はグローバル化した資本主義に飲み込まれていって、それを是正する機関はどこにもない。
つまり、資本主義は極端に向かって暴走して行くことが運命づけられているのである。暴走するというのは、要するに「金こそすべて」になって、強者が弱者からどんどん奪い取る社会になるということだ。

■暴走は、行き着くところに行くまで止まらない
世界全体が、この暴走する資本主義に飲み込まれて動いている。だから、この「暴走」は、行き着くところに行くまで止まらない。
ほんの1%程度の勝者が、99%の人からすべてを収奪するまで止まらない。その過程で経済的な格差や、深刻な失業問題はどんどん深化してしまい、それが巨大な暴動や社会不安を拡散することになる。
アメリカでは中産階級の収入が毎年激減しており、すでに4600万人が貧困になっている。世界最大の経済大国と言われているアメリカで、7人に1人が貧困層だ。
貧困層予備軍を入れると3人に1人が貧困に苦しむ社会となってしまっているのである。
アメリカでの貧困層というのは年収が約87万円以下を指す。そんな世帯が爆発的に増えている。
多くのアメリカ人の多くが今、「生活していけない」状態に突き落とされており、オバマ大統領は為す術もなくそれを放置している。
オバマ大統領の支持率が急減しているのは、外交問題で手も足もでないこともあるが、国内問題を解決することもできないでいるからだ。
一部の勝者がありったけの富を奪い取って行くのが許される社会というのは、「強欲資本主義」とも言われる。
強欲資本主義というのは、「あるところから根こそぎ奪う」ための強者総取りの世界だ。この「歪みきった資本主義」がグローバルに展開されている。

■資本主義社会を動かしているのは、国ではない
もはやグローバル化した資本主義社会を動かしているのは、国ではない。国は借金を抱えて身動きできない状態になっている。はっきり言えば、国そのものも資本主義社会では弱者なのである。
資本主義社会での強者は多国籍企業であり、国際的な金融組織である。彼らは世界中から莫大な儲けを得るために、ありとあらゆる国に自由化を押しつける。
ターゲットに定めた国(奪い取りたい国)が、外国人でも投資できるように自由化される。そして、投資に制限がかかっていない状態にする。彼らは、それを「新自由主義」と格好をつけて言っている。
要するに自分たちが企業を買収したり、売り飛ばしたり、投資したり、空売りしたり、「自由に」経済活動できるようにするためのものであり、ここで言う自由とは彼らの自由である。
自分たちの収奪的な経済活動に対して、その国の政府に介在させないようにする。市場で何が起きても介在させない。
邪魔したら賠償金が取れるようにする。そうやってターゲットを法的に丸裸にしたあと、市場操作をしてその国の富の一切合財を奪い取る。
韓国にはFTA、日本にはTPPという名前でそれは仕掛けられた。
TPPはアメリカ政府が仕掛けているのではない。アメリカの多国籍企業が仕掛けている。ここのところを誤解する人が多いが、国と企業はまったく違う。
アメリカ国家は、アメリカの多国籍企業の命じるがままに「動かされている」のであって、主ではなくて従なのだ。(アメリカはイラクをあきらめ、日本を植民地化することにした)
日本は完全にアメリカ政府の言いなりになっている。だから、日本人も強欲な資本主義の荒波に巻き込まれて収奪されていくのは時間の問題だろう。
貧困層の増大と、格差の開きは、さらに増長されていくということになる。

■次の国家破綻が引き起こされるのは時間の問題
アメリカ政府はすでに多国籍企業連合であるNFTC(全国貿易協議会)に乗っ取られている。
だから、アメリカ政府が日本の資産強奪に来ているというよりも、アメリカの多国籍企業が日本の資産強奪に来ているのだ。それを国家もコントロールすることができずにいる。
世界中の国家が執拗に「グローバル化」と「新自由主義」を押し付けられるのは、多国籍企業の中でも特に強欲な金融セクターの企業が収奪のためにそれを望んでいるからである。
自由を押しつけ、政府が介在できないようにして、市場操作して、すべて奪い取る。
こういった暴走は経済がクラッシュするまで続いていくのだが、そのクラッシュこそが「金融危機」と呼ばれるものだ。金融危機はあちこちの国で起きている。
1994年 メキシコ
1997年 タイ・インドネシア
1998年 ロシア
1999年 ブラジル
2000年 トルコ
2001年 アルゼンチン
2008年 アメリカ
奪われた国が破綻して、それが国民の生活を困窮させていく。文字通り国民が不幸のどん底に叩き落されるのである。それが繰り返されている。
いずれは、次の国家破綻が引き起こされるのは、時間の問題なのである。
いつ、どこでどの国がどのように破綻していくのかは分からないが、それが日本ではないとは誰も言えない。あなたもこの超危険なブレーキのきかない暴走機関車の乗客であるのは間違いない。

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