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2013年4月29日月曜日

おぞましい舞台裏・このムラ


アジアの団結を怖れるアメリカの煽動

菅沼  現在の日本銀行というのは、55%が日本政府の財務省が株を持っていて、基本的にはあれは民間の銀行です。だが問題はあとの45%は誰が持っているのかということです。その中の39%の個人株主の名前は公開されていない。だから米連銀(米国連邦準備制度理事会・FRB)のように、その中の半分はロスチャイルド系であったりするわけです。

フルフォード  最近わかったんだけどこの前、小泉ジュニア(進次郎)が派閥を発表しましたね。あれで、80人の政治家に多額のワイロが配られたんです。そしてその金の出所のワイロの大元は、日本銀行の株主の1人であるサッスーン財団のジェームズ・サッスーンです。


飛鳥  日本人は陰謀論という話になるとすぐ、バカな連中、狂った連中のことだという人が多いんだけど、そもそも人間がいる限り陰謀なんて絶対につきものじゃないですか。組織には絶対陰謀があるし、会社にだって企みはあるわけですよ。だからここで話していることでも変な人たちがおかしなことを言っていると思われるのはシャクだね。

フルフォード  それが向こうの戦略なわけ。
        要するに自分たちのことを知られたくないからね。


菅沼  新聞に書いてあることやマスコミの言うことで、世界を判断してるようじゃ駄目だね。

飛鳥  そう。だからあまり言いたくないけど、4大新聞にはほんとに笑っちゃうね。

菅沼  たとえば政治評論家でも経済評論家でも、あるいは大学の先生でも何かの学者でもそうだけど、ずっと見ていると全部どこかの「ひもつき」なんだ。ウォールストリートの代弁者もいるし、ペンタゴンの代弁者もいる。もちろん政府や官庁の御用学者も多い。はっきり言って国賊みたいなもんで、日本人というのは明治の頃から、東大の先生もそうだけど、みんな誰かの翻訳で生きて来たんですよ。つまり誰かの翻訳を自分の理論にしただけなんです。

   竹中平蔵なんてあんなの全部翻訳ですよ、自分の意見じゃないんだから。自分のオリジナルは何もなくて、いつも誰かの意見なんだ。そんなもので国際情勢を評価したりするもんだから、結局誰かの思うとおりの判断をさせられて利用されている。


飛鳥  コントロールされていると言うけど、自分でコントロールの中に入ってる。しかも自分がコントロールされていることが全然わかっていないし、その自覚がないんです。
 
フルフォード  北朝鮮の話に戻りますけれども、北朝鮮にテポドンとか核兵器を売ったのはアメリカですよ。でも目的は、すごく高価な迎撃ミサイルのシステムを日本に売ることだったんです。でも日本はあんな高いものはいらないと言った。そうして日本に、「ほらほら、北朝鮮は危険でしょ、怖いでしょ。向こうも持ってるんだから買わないとだめだよ」と脅して買わせる。


飛鳥  北朝鮮の核施設を最初に曝露したのはアメリカの軍事衛星だということでワーッとなって、それであわてた日本が結局アメリカ製の迎撃ミサイルシステム、パトリオットを購入する。台湾もそう。だからアメリカが「北朝鮮は危険だ、危険だ」と言うほど、実はアメリカの迎撃ミサイルが売れるんだよ。

フルフォード  マッチポンプなわけ。そういう商売なんですよ。
         以前アメリカ大使だった人が、「北朝鮮がなかったら、つくる必要があった」という暴言を言ったほどなんです。

飛鳥  アメリカにとって、北朝鮮というのは非常に便利なツールですからね。

フルフォード  つまりアジアが団結するのは、欧米勢としては非常に困るわけ。
         だから何としてでも阻止したい。だから一生懸命感じやすいところを突いて喧嘩させようとしているわけ、北朝鮮とも、韓国、中国とも。それが今は、尖閣諸島の問題。

飛鳥  そう。尖閣の問題はアメリカが誘導している。
     そして実際にはアメリカじゃなくて、いわゆるシオニスト的な国際資本家たちがやらせているんです。しかしアメリカは日本に施政権は認めるが、領有権は絶対に認めないんです。

フルフォード  中国が今、裏で言っているのは、もともと沖縄自体は中国のもので、中国に貢(みつ)ぐ独立王朝だった。だからそれを日本から分断して、中国人が海で遊べる避暑地にしろと言っている。

飛鳥  中国はだから今、「沖縄は独立しろ、独立しろ」と言って、沖縄をたきつけているよ。

フルフォード  永田町の裏にプルデンシャルタワーがあるじゃないですか。
         あそこには、CIAが日本を管理するための部室が3フロア分あるんです。

菅沼  あのビルはすごく邪魔ですよ。どこに行ってもあれが見えるし、しかも官邸のすぐそばで、国会のそばだよ。監視しているんだろう。しかも今の総理官邸をあんなガラス張りにして、あれを作ったときバカじゃないのと思ったよ。

フルフォード  今僕の本は全部日本語で出しているんだけど、その本が今、全部英語に訳されている。それで書いてもいないのに、急にユダヤ差別したとか嘘言われて、僕の本が印刷中止にされたことがある。

菅沼  日本のイスラエル大使館とか、アメリカ大使館なんか、そういうところではみんな国内の出版物を検閲しているんですよ。アメリカ大使館なんかすごいよ。だから訴訟を起こされたりするんだ。

飛鳥  そうですよ。そのための専門部署があると聞いています。

フルフォード  僕は紀伊国屋で英語の本を買ったんです。
         それはバビロンの歴史の本なんだけど、それにバーコードがあったんでそれを剥がしたら、下に半導体があった。たとえば『9・11の真実』という本が出版されたとするでしょ。それを買った人は家に持って帰る。そうしたらそのバーコードの下の半導体で居場所がわかるわけ。だから一斉にパクることができる。

飛鳥  やりかねない。
     NSA(アメリカ国家安全保障局)はそれの専門家だからね。NSAの目的は、個人情報の徹底管理なんだ。

フルフォード  このクレジットジットカードを見せますけど、裏にこの線があるでしょう。
         NSAの人から聞いたんだけど、これに超小型半導体が入っていて、盗聴できるんですよ。GPSで居場所もわかる。パスポートにも入っている。

   最近、アメリカが国内で何をやろうとしているかというと、アメリカ人の5000万人くらいが、6人に1人は生活補助で生きている。それをもらっている人たちに、詐欺防止という名目で半導体を入れようとしている。

菅沼  それが今、6000万人くらいになってるそうじゃないですか。

フルフォード  もうメチャクチャなんですよ。

飛鳥  今ずっと聞いていると、ベンジャミン君はおかしな人じゃない。ちゃんと理屈に合った話をしている。なのに、ベンジャミンはおかしな奴だから話を聞くなという風潮が、こんなに日本に出回っている。

フルフォード  それは僕の言っていることが、あまり広まったらまずいからなんです。
         だから変人扱いされて村八分にされるように、一生懸命ブラックリストに載せようとしている

飛鳥  
特にテレビ界でひどいね

フルフォード  
僕がいろんな番組に出たりすると、「あなたが出ると視聴率が高くなるからいいんだけど、上から使うなと言われている」、とプロデューサーから何回も言われた。その大元の指示はナベツネとか中曽根、石原で、サバタイ派マフィアの奴隷になっているものたちだ。結局、彼らの権力の大元の問題は、お金。それが解決したら全部変わる。僕は別に、一般のテレビを見ている人たちに理解してもらわなくてもかまわない。

   こういった人たちは、大元の大本営が変わってみんなが信じているNHKが、それまでと違うことを言ったとき、いつものようにみんなも「ああ、そうですか」というだけだから。申し訳ないけど、みんな洗脳漬け、調教漬けなんです。これは日本だけじゃなくて、アメリカもヨーロッパもそうです。僕がこれまでやってきてわかったのは、政治家というのは結局、「雇われ役者」なんだってこと。僕は真に受けていたから、永田町にいる政治家は日本を管理しているんだと思っていた。

飛鳥  
裏を返せば、それは日本の政治家に対する絶望感だな

フルフォード  
結構有能な人もいるし、いい志で政治家になった人はいっぱいいるんだけど、すでにできてる仕組みの中であの人たちにできることは何もない。みんなそれなりに頭はいいから、こう言ったら、こう言うよ。でもその裏に何があるかについて何も知らないし、何もわかっていない。

   たとえば僕が、ユダヤ差別したということで罠に嵌められた時、ロサンゼルスのヴィーゼンタールからクレームがきて、その人が日本に来た。それで外国人特派員協会で記者会見したときに、僕が「なぜ僕の本を封印しようとしたのか。ユダヤ差別的なところがどこにあるのか」と言ったら、「あなたがブッシュがイラクで200万人殺したと書いたから」と言った。ブッシュは建前上はキリスト教徒だし、200万人のイラク人を殺したという根拠は僕じゃなくて、「ランセット」というイギリスの医学雑誌の推定だった。

   そうした騒動があったとたんに、政治家たちが僕と一切連絡を取らなくなった。
   それまで親しくしていたのに、急に怖がっちゃって。みんな役者なのか、それともうまく立ち回りたいだけなのか、知らないで蚊帳の外に出されてしまったか。

飛鳥  いつものパターンだよ。

フルフォード  結局、大元をたどると、ロックフェラー、ロスチャイルドとかパパ・ブッシュ、とかの一握りの人たちだ。現在はジェームズ・サッスーンとかジョン・コーエン、シオンの長老なんかも出てきた。名前も具体的な情報も出ている。つまりこの傘下にG7などの国際会議のグループがあるわけで、結局みんなどれかの同じ命令系統に入っているんだ。


        book 「神国vsワンワールド支配者」
                 菅沼光弘・ベンジャミン・フルフォード・飛鳥昭雄箸
                        ヒカルランド

                          抜粋

2013年4月25日木曜日

スーパー・ガイ Roger Theobald

わかる人いますか?

隠れた(ウィスニュウスキー・TWA)のパートナー


Roger Showed up one day at a Valley Circle Burners meeting. The meetings were held in any open place you could find at the Johnson Engines Company on Saticoy. He was from the East, had red hair and drove a big Thunderbird. Just another guy who wanted to join the "Circle Jerks".
Within 10 years Roger had teamed with Will Wisniewski to develop the TWA engine that blew away EVERYONE at the 1966 World Champs with a 1-2 finish and changed F2A forever, then turned around and developed the ARM diesel engine with John Barr and flew to fourth in F2C at the 1972 World Champs. Then Roger joined Phil Kraft in Vista, California and designed and developed the Kraft 61, still made and marketed by RJL here in the US
To my knowledge Roger is the first person ever to represent the U.S. in two different control line categories in the world champs. Bill Hughes reminds me of two other examples:  Carl Dodge(F2A) flew F2C with Henry Nelson  and Tom Fluker jr.(F2D) flew F2C with BillLee
Here, however, is a study of Roger of his unique and breathtaking style of entering the pylon. Monoline is no longer allowed in F2C, but any AMA speed flier had to appreciate this, it seems to me.

The monoline handle he made can be seen clearly in the photo above as he begins to tow the TWA up to resonance.
In the photo to the right the pipe comes "on" and Roger gets the aircraft high as he stops rotating. Only two or three seconds have past since the engine hit peak revs. Then, below, the almost unthinkable happens. He stops rotating all together and the aircraft flies behind his back. The eyes aim, instead at the pylon forks.
Somehow nothing goes wrong. His hand goes down as the aircraft comes around in to view, then, hand in the forks in one move after the aircraft reappears, he starts to pivot again.

題名通り


引用・転載文



日本人は政治的無能者なのか

日本人は政治的無能者なのか
(日刊ゲンダイ2013/4/23)

アベノミクスの効果はゼロなのに それでも支持率71%の異常

◆「好景気の実感ない」81%、「所得増えない」69%。

やはり日本国民の政治水準はかなり低いのではないか。共同通信の世論調査にはビックリ仰天だ。


アベノミクスによって「所得が増えると思う」24%に対して、「増えないと思う」は69%。景気好転を「実感できる」13%に対し、「実感できない」は81%だった。要するに、景気も良くなっていないし、この先も給料は増えそうにない――と多くの国民が思っているということだ。ところが、安倍内閣の支持率は前回より上昇し、71%に達している。

景気がよくなっているのならまだしも、よくなる見込みもないのに、70%もの支持率を与えるのは、世界中で日本くらいのものだ。なぜ、こんなバカなことが起きているのか。
「ひとつは質問する順番でしょう。共同通信の調査は、最初に〈安倍内閣を支持しますか〉と聞き、5問目、6問目で〈所得は増えると思うか〉〈景気好転を実感するか〉と質問している。もし、最初に〈所得は……〉〈景気は……〉と尋ね、最後に〈それでも支持しますか〉と聞いたら違う数字になっていたでしょう。ほとんどの回答者は、それほど深く考えず、なんとなく〈支持する〉と答えているのだと思う。民主党政権がヒドすぎた反動もあるでしょう」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)
しかし、政治意識の高いヨーロッパの先進国なら、あり得ないことだ。自分の暮らしがよくなる見込みがなければ、間違っても支持しない。
「もともと、合理的にモノを考えることが苦手な日本人は、民主政治に向いていないという見方があります。小泉政権の時も、なぜ郵政を民営化すると生活がよくなるのか説明不能なのに、国民は〈聖域なき構造改革だ〉という言葉に熱狂し、圧倒的に支持した。日本人の政治レベルは、その程度なのでしょう」(政界関係者)
しかし、安倍内閣では、国民生活は絶対に良くならない。足元の景気も、給与総額は増えず、失業率が悪化するなど、アベノミクスの効果などどこにもない。なにも考えずに支持している国民は、半年後、1年後とんでもないことになると覚悟すべきだ。

2013年4月23日火曜日

事件の裏に真実有り・・・・


ボストン爆弾テロの深層

2013年4月22日   田中 宇

 4月15日に米国ボストンのマラソン大会のゴールで起きた爆弾テロ事件について、英国の新聞テレグラフが「FBIの大失敗」と題する記事を出した。ボストンの事件について、世界中で無数の記事や投稿、つぶやきと称する公言などが発せられているが、米国とテロの関係について、おもてと、巨大な「うら」の両方をよく知っている人なら、このテレグラフの記事を読むだけで、今回の事件(事件というより「事故」もしくは「未必の故意による過失」と呼ぶべきだが)の本質に気づくだろう。 (Boston bomber: FBI 'dropped the ball' over Tamerlan Tsarnaev
 この記事の圧巻は、事件発生後、容疑者のタメルラン・ツァルナエフがロシアに住む父母に電話してきて、FBIから電話で叱られた話をしたくだりだ。事件直後、FBIがタメルランに電話してきて、お前が犯人だ(もしくは「こんなことになったのはお前のせいだ」)と、タメルランを非難した(called him to accuse him of being responsible)。タメルランは「それはそっち(FBI)の問題でしょ」("That's your problem")と、電話をかけてきたFBIに答えたという。これは、英国などのマスコミ各社がロシア在住のタメルランの父親に取材して聞いた話だ。 ('My sons never do bombing!'
 捜査当局が、容疑者をつかまえに行く前に電話して、お前が犯人だと叱るのは奇妙だ。そんなことをしたら逃げられてしまう。しかも、タメルランは電話を受けた後も逃げなかった。FBIはその後、日を改めてから、4月18日にタメルランら兄弟を容疑者として指名手配した。タメルランら兄弟は、指名手配されるまで事件現場の近く(たぶん自宅)で生活し、ツイッターの公開書き込み(弟のアカウントが「@J-tsar」)までやって、のんびりした様子だった。彼らは、指名手配されてから、ようやく慌ててうろうろし始め、近所の大学を通行中に警官(警備員)に怪しまれたので射殺し、その辺を走っていた車を奪って逃走した。 (Dzhokar Tsarnaev's Twitter account @J-tsar active on day of Boston Marathon bombings) (Boston bombing suspect in custody) (Boston Marathon bombings From Wikipedia
 FBIがタメルランらを追い、ボストン周辺に外出禁止や公共交通停止の戒厳令が敷かれ、内戦のような大騒動の捕り物劇("The War on Boston")が丸一日続いた。タメルランは射殺され、弟のジョハルは怪我をして隠れたまま倒れているのを見つかって捕まった。 (The War on Boston Continues
 事件直後のFBIからの電話のはなしに戻ると、タメルランが「私はやってません」でなく、爆破はFBIの問題だと批判し返したのも奇妙だ。これら奇妙な点を「タメルランの父母が息子たちを擁護するために出任せを言っただけ」と考えることもできるが、父母の発言に出任せの疑いがあるなら、テレグラフはそのように書くだろう。タメルランの父親の発言は、他のマスコミでも信憑性に疑いを持たれずに報じられている。 (Parents of Boston Marathon bombing suspects defend their sons, and father reveals FBI interviewed Tamerlan Tsarnaev two years ago
 しかも、同様の奇妙さは、2001年の911事件や、1995年のオクラホマシティの連邦ビル爆弾テロ、93年のニューヨーク世界貿易センタービルでの爆破テロ事件(911とは別の事件)など、米国で起きたいくつものテロ事件にもまとわりついている。 (オクラホマ爆破事件と911(1)
 FBIとタメルランの電話の会話は、まるで両者が旧知の知り合いであるかのようだ。事実、FBIとタメルランは、少なくとも2011年に会っている。ロシア政府からの情報提供にもとづき、FBIがタメルランに連絡をとり、イスラム過激派のテロ組織との関係について事情聴取した。しかしその後、FBIはタメルランについて怪しむことをしなかった。 (FBI interviewed dead Boston bombing suspect years ago
 タメルランらツァルナエフ家の人々はロシアのチェチェン人で、タメルランら兄弟は2000年に観光旅行で米国に来た際、そのまま残って米当局に亡命申請した(他にも諸説あり)。自主独立の民族気質が強いチェチェンは、ロシア軍から過激に弾圧され続けてきたので、亡命申請が通りやすい。父母はロシアやキルギスなどに住み続けたが、タメルラン兄弟と姉(妹?。彼には2人の姉妹がいる)は米国に移り住んだ。 (真の囚人:負けないチェチェン人
 タメルランら兄弟は米国に移住した後も、しばしばロシアの父母のもとに帰郷した。父母はロシアのチェチェンのとなりのダゲスタン共和国に住んでいた。タメルランは2011年に半年間の帰郷をしたとき、地元のチェチェン人のイスラム教のモスクを何度も訪れ、米国に帰った後、ネット上のユーチューブのチェチェン関連動画のページなどに、チェチェン人のイスラムゲリラの戦い(米露側からすれば「テロ活動」)を賞賛する書き込みをたくさんやるようになった。
 タメルランがチェチェンに帰郷して「イスラム過激派」に同調するようになったのを見てロシア当局が警戒し、米当局に情報を送ってきた。それでFBIがタメルランを事情聴取した。ロシアは何度も米国にタメルランの情報を送り、最新のものは昨年末だった。しかし、FBIは新しい動きを何もしなかった。FBIは911の時も「20人目の犯人」といわれたザカリアス・ムサウイについて、各種の情報を事前に得ながら、ほとんど対応していない。奇妙さが繰り返されている。 (テロリスト裁判で見える戦争の裏側
 タメルランは、FBIに事情聴取された経験があるのだから、爆弾テロを起こすなら、犯行直後に遠くに逃げて当然だ。できればチェチェンに高飛びするのが良い。しかし彼は何もせず、何日間も漫然と犯行現場から遠くない自宅にいた。当局によると、タメルランら兄弟の自宅から、手製の爆弾がいくつも見つかった。兄弟は、逃げもせず、爆弾を別の場所に隠したり捨てたりすることもしなかったことになる。
 タメルラン兄弟が全くの無実であり、FBIが兄弟を犯人としてでっち上げたという考え方もできる。米政府は最近、表向きロシアとの関係を良くしたいと言って安保問題などで米露交渉を続けつつ、その一方で露政府を怒らせるような制裁的な措置をやっている。米当局は、対ロシアの外交戦略上の観点から、チェチェンやロシア系のタメルラン兄弟を犯人としてでっち上げることにした、という筋書きもありうる。しかし私は、それらを考えつつも、そうではないだろうと思っている。
 米当局は12年前の911事件以来、テロ対策の戦略と実践にものすごく力を入れている。テロ対策や治安維持、公安警察の基本は、テロリストになりそうな連中(市民や地域の外国人)に当局が恒常的に接触し、常に様子を探ることだ。テロ組織の中に当局のスパイを潜り込ませ、テロ行為の計画に平然と参加させるのも優れたやり方だ。当局がテロリスト風のスパイを養成するのは非効率なので、もともとテロリストをやっている人々、テロ組織の近くにいる親近者などを、何らかのきっかけ(弱みを握るとか金銭授受、性的誘惑など)を使って当局に協力せざるを得ないように仕向け、スパイさせるのがよい。
 だからFBIは、最初にタメルランに接触した後、彼をイスラム過激派のスパイにしようとした可能性がある。タメルラン兄弟は当時、米国の市民権や国籍を取得する過程にあった。「市民権を早くとれるようにしてやるから、米国への愛国心を見せるためFBIに協力してはどうか」とFBIがタメルランに持ちかけた可能性はある。
 ロシアから独立したいチェチェン人の気持ちは、ロシアを仮想敵とする米国にとって使い勝手の良いものだ。チェチェン人はイスラム教徒だが、同時に反露的だ。米国の右派(ネオコンなど)は、イスラム教徒を敵視する一方で、ロシアを困らせるためにチェチェンのイスラム勢力がテロをやるのを支持・支援してきた。タメルランにとって、チェチェンのイスラム急進派に親近感を覚えることと、米国に永住するためにFBIに協力することは矛盾しなかっただろう。 (ロシア学校占拠事件とプーチンの独裁
 タメルランがFBIの協力者だったとしたら、ボストンのテロ事件の直後の、両者の電話の会話は全く奇妙なものでなくなる。タメルランとFBIは、事前にテロが起きることを察知していたが、うまく止められなかった。もしくは、両者はテロを防ぐためにスパイ活動をしていたのに事前にテロを察知できなかった。もしくは、両者が共謀して爆破テロを起こす直前までの事態を起こそうとしたが、何かの手違いで爆発が本当に起きてしまった。などなど、可能性の選択肢はいくつもあるが、いずれの場合も、FBIが「お前のせいだ」とタメルランを非難し、タメルランが「そっちの問題でしょ」とやり返すという会話が、自然なものになる。
 93年のニューヨーク世界貿易センタービルの地下駐車場の爆破テロの際にも、エマド・サレムというFBIのスパイとなった米国に移住した元エジプト軍将校が、FBIに依頼されて貿易センタービルの地下駐車場に爆弾を仕掛け、それが爆発まで至らずに検挙が行われる筋書きで、サレムが潜り込んでいたイスラムテロ組織(実は単なるモスクの会合)がテロ事件を起こしたことにしようとしていたのが、手違いから本当の爆発が起きてしまったという展開があった。FBIがサレムを犯人(容疑者)として発表し、怒ったサレムが真相を暴露し、それを米マスコミの一部が報じたことで問題になった。 (政治の道具としてのテロ戦争) (サウジアラビアとアメリカ(中)
 今回も、エマド・サレムの時と似た展開になっている。事件当日、ボストンでは、マラソンの警備をかねて、マラソンの最中にテロが発生する想定で、警察、FBI(刑事)、CIA(諜報機関)など治安維持当局が、テロ対策の実地的な訓練を行っていた。マラソンの道沿いのビルの上から、テロリストを狙撃するための重武装の部隊がにらみを利かせていた。沿道では、爆弾のわずかなにおいをかぎ分ける警察犬が活動していた。マラソンを見に来た観客らが、ものものしいテロ対策要員の姿や行動を見ておびえたのに対し、当局の要員が、訓練だから大丈夫ですと言ってなだめていたと報じられている。(911事件の当日も、米国東海岸で、ハイジャックされた飛行機が政府関係のビルに突っ込む想定で、警備の訓練が行われていた) (Boston Police Chief: "There Was No Specific Threat") (怪しさが増すロンドンテロ事件
 今回の件を含む米国のテロの話は、非常に奥が深く、しかも幅がとてつもなく広い。ほとんどの人々にとって全く知らない話だし、話の大部分が陰謀論扱いの対象になりうるので、簡単に説明できない。一回の記事で書ききれるものでない。今回はさわりだけで、とりあえず配信する。次回以降、続きを書いていくつもりだ。

2013年4月15日月曜日

読めた世界の裏

前から言ってるんだが、北朝鮮は日本と同じく米国の傀儡だ。北朝鮮のような極小国家が日米の巨象相手に太刀打ちできる可能性は全くない。もはや、核弾頭ミサイルは最新の軍事技術からすれば無力だ。PAC3のようなおもちゃではなくミサイル自体を無力にする兵器が存在するからだ。つまり、北朝鮮による軍事的挑発行動は国体を守るために恫喝を繰り返しているのではなく、米国に巣食う巨大な軍産複合体の利益のために行っているに過ぎない。つまり、自作自演なのだ。だから、安心かというとそうではない。極めて危険なのだ。北朝鮮=米国=軍産複合体による恫喝の狙いは一つ。「日本」だ。韓国は日本の付属的組織に過ぎない。日本を叩けば勝手に韓国も崩壊するのだ。日本と北朝鮮は国交もなく平和条約も何も存在しない。つまり、北朝鮮はフリーハンドで日本を叩くことができる。米軍は北朝鮮による日本に対するミサイル攻撃を日米安保を名目に軍事行動をとるのかというと、それはNOだ。米軍が他国に対し軍事行動をとりえるのは、日本国内に存在する米軍施設か大使館や領事館などの施設が攻撃された時だけだ。日本内に展開する米軍は日本の国益のために存在するのではなく、自国の利益のために存在する組織であるに過ぎない。だから、日米安保を根拠として米軍が日本を他国の侵略から守ってくれるなどという議論はナンセンスだ。本気でそう考えるなら、相当能天気者かアホかどっちかだろう。米国は先の大戦で終戦直前に日本国内に二発の核爆弾と主要大都市に大量の焼夷弾を投下し、戦闘員ではない一般国民を大量虐殺した国なのだ。その目的は、戦後処理を圧倒的有利な体制で進めるためだ。米国主導のシナリオで日本を思い通り戦後支配するために、ワザと国民を無差別大量殺人し、ワザと日本国内の食料流通経路を断ち、都市部にいる大量の国民を飢えさせた。結果、現在日本が米国のポチになってる法的根拠としての「日米安保」+「日米地位協定」を密約同然で結ばせることに成功した。つまり、米国の主導するTPPとは、第二の地位協定なのだ。その悪の協定を成功させるためには、前回同様なるショックドクトリンを敢行する必要がある。それが北朝鮮恫喝戦略であり、中国市場大混乱戦略であり、金融市場大崩壊戦略であり、殺人インフルエンザ大量ばら撒き戦略であり、大地震戦略なのであるに過ぎない。自然に発生するのではない。すべて用意周到に仕掛けられている。
 

2013年4月6日土曜日

あーあ やんなちゃ 大嘘を見過ごす我々


国会議員は税金ドロボー 国会が違憲という奇怪な有様

国会議員は税金ドロボー 国会が違憲という奇怪な有様
(日刊ゲンダイ2013/4/4)

彼らが「議員定数削減」や「一人一票の区割り改革」などやるわけがない

国会では連日、予算委員会でああだこうだとやっているが、もったいぶった議論を見ているとアホらしくなってくる。この国会は違憲だからだ。


衆院選の「1票の格差」をめぐる問題で、3月末に各地の高裁で判決が出た。全国16件の訴訟のうち14件が「違憲」、そのうち2件は「選挙無効」の判決だ。残る2件も「違憲状態」と断じ、「合憲」判断はひとつもなかった。

国権の最高機関が違法状態なんて、マンガみたいだ。憲法違反の国会がああでもない、こうでもないとやっているのだ。憲法学の権威で九大名誉教授の斎藤文男氏はこう言った。

「違憲状態で当選してきた国会議員が法律や予算をつくり、違憲の議会が安倍首相を選び、違憲の首相が組閣した政府が、国の方向を決めていく。ため息しか出ませんよ。自分たちの違憲を正すこともできないで何を国会で論じているのか。民主主義とかけ離れた今の日本の政治状況は、異常としか言いようがない。世界が『どうなってるの、日本は?』と目を白黒させていると思います」

こんな状況で「日本は議会制民主主義です」なんて、よく言えたものだ。お隣の独裁国家とさして変わらないのではないか。こんな“お飾り”国会が、予算を審議し、TPPの批准までやろうというのだ。バカバカしいったら、ありゃしない。

◆議員バッジは金儲けの道具なのか

国会では一応、「0増5減」や「区割り調整」について話し合いが行われている。しかし、彼らにどこまで、切迫感や責任感があるのか。きのう(3日)も衆議院の選挙制度改革をめぐって与野党の幹事長会談が行われたが、物別れに終わった。「0増5減」だけ先行実施することを主張する自民党に対し、野党が「議員定数削減などの抜本改革とセットでやるべきだ」と言って反対しているためだ。

もっとも、野党だって本気で反対しているわけではなくて「定数削減を主張しておかないと国民の批判を浴びる」(民主党幹部)というだけのこと。自民党案を基にした「0増5減」の区割り見直し案にしても、最大格差は1・998倍で「ギリギリ2倍は超えないよう調整しました」というシロモノだ。小手先のその場しのぎでしかない。つまり、形だけ議論。「違憲解消に向けて話し合っています」というアリバイづくりだ。

「選挙制度改革を国会議員に任せていたら、進むワケがありません。そもそも、1票の格差は今に始まった話ではない。国会議員は自分たちの議席をいかに守るかしか考えていないから、これまでは定数を増やすことで、なんとか乗り切ってきた。わが身可愛さで、絶対に減らそうとはしないのです。彼らは落選したらタダの人。世襲議員のように、政治が家業になっている人もいる。かつては“井戸塀政治家”といわれるように、私財をなげうってでも国のために尽くすという志のある政治家がいたものです。今は政治が食いぶちになってしまっている。そんな人たちが“身を切る改革”なんてやるはずがありません」(政治評論家・山口朝雄氏)

ホント、今はくだらない国会議員ばかりになってしまった。お笑い芸人が国会議員になって、改革派を気取る。政党を渡り鳥のように移動して、生き残ろうとする。公約をさっさと忘れて、保身に走る。ポスト欲しさに取引する。全員が金儲けと箔(はく)付けのために議員バッジをつけているようなものだ。つまり、民主主義をナメている。そんな連中が「国会議員でござい」とふんぞり返っている。

デタラメな国会議員が多すぎるから、国民から「減らせ!」と言われるのだ。

◆国会議員は一度やったらやめられない

そんな国会議員に一体どれだけの税金が使われているのか。

まず、「議員歳費」が月額130万円。これに年間約600万円のボーナスが加わり、給料だけで年収は2000万円を超える。このほかに「文書通信交通滞在費」が月100万円、「立法事務費」として所属会派に議員1人当たり月65万円が支給される。つまり、国会議員のフトコロに入る“つかみガネ”は年間4000万円以上とベラボーだ。

ほかにも、JR無料パスや無料航空券、都心の格安豪華宿舎、公用車などの特典がズラリ。国会会期中は、正副議長、常任・特別委員長らに日額6000円の「議会雑費」も支給される。

これに公設秘書の給料があり、さらに政党助成金がある。そこから餅代、氷代などが配られるわけだ。それやこれやをひっくるめると、議員1人当たり、年間1億円以上の税金が使われていることになる。それでいて、ロクに仕事もしないのだから、税金ドロボーそのものだ。

連中は、たまに思い出したように「身を切る改革」とか言い出すのだが、一時的なものだ。いつもナシ崩しになる。震災後に始めた歳費の一部返上だって、いつの間にかウヤムヤで、元に戻っている。

自分たちはガッツリ既得権を守りながら、国民には増税を押し付ける。その税金でのうのうと暮らしているのだ。冗談じゃないが、フザケているのは、こんな連中が、またぞろ憲法改正なんて言い出していることだ。

◆違憲議員が憲法改正を叫ぶマンガ

日本維新の会の石原慎太郎共同代表は、退院してきて最初の国会議員団役員会で「参院選の焦点は憲法」と言った。維新は、参院選で「自公の過半数阻止」を掲げる一方で、「改憲勢力で3分の2以上の議席獲得」を目指すという支離滅裂な方針を打ち出している。選挙では反自公で戦いながら、選挙後、憲法改正は協力するということだ。

詐欺みたいな話だが、それでも選挙後、改憲勢力が3分の2以上になれば、憲法改正の要件を緩和するための96条改正へなだれ込むのは間違いない。違憲国会議員が憲法改正なんて、いい加減にしてほしい。

「改憲をどうこう言う前に、とっとと自分たちの違憲状態を是正しろという話ですよ。いま国会で話し合われている『0増5減』は衆議院の選挙法ですが、これだけをやったところで、またすぐ違憲状態になる。その場しのぎでしかありません。それに、最大格差が5倍もあった前回参院選についても、最高裁大法廷は違憲状態と判断。こんどの参院選も1票の格差問題で訴訟になるのは確実です。両院とも違憲状態なのに、憲法違反の国会議員が居座って、憲法改正を叫ぶのだからマンガみたいな話です」

それを批判するどころか、大真面目で報じる大メディアもどうかしている。この国の政治は何から何までお笑いだ。マトモな国民は、もう付き合いきれない。


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関連記事

2013年3月29日金曜日

衝撃の日本(ムラ)の姿、おぞましや!!!

まー、読んでください。

掲載・引用:

前回、日米間の属国協定の最たるものである「日米地位協定」について真実を暴露した、前泊博盛氏の本を書評した。「日本国内にアメリカが欲しいだけの基地を確保する」というのが日米安保体制の本質であった。その維持のために、アメリカは地位協定(かつての日米行政協定)というものを日本側に強制的に結ばせた。

 それでは、日米同盟体制を維持するために存在する協定はこれだけなのか。実は、もう一つ、日米原子力協定(1988年)というものがある。この協定は日本では中曽根政権時代の1980年代に改定交渉が行われたものである。この協定は発効した1988年の30年後の2018年まで有効である。

 結論から言えば、この改定原子力協定こそが、日本の核武装を不可能にしながら、同時に日米同盟体制の重要な枠組みとして日本の原子力政策を縛り付けてきた諸悪の根源である。日本の原子力発電所は、日本の核武装を目論んだ正力松太郎の重要な政治戦略として生まれたが、この正力の自立路線が中曽根康弘に代表される、アメリカの属国路線に取って代わった段階で、日米原子力協定を出発点にする日本の原子力政策は、上から大きくアメリカにコントロールされていくことになったのである。

 私は、そのことを原子力協定の全文を詳しく精読していき、さらに最近発売された、苫米地英人(とまべちひでと)氏の『原発洗脳:アメリカに支配される日本の原子力』(日本文芸社)と、有馬哲夫『原発と原爆』(文春新書)などを読み解いていくうちに発見した。この改定協定をめぐっては、日本の原子力外務官僚の中で、「初めて日米が対等に渡り合った交渉」(外務官僚の遠藤哲也の言)というような、「神話」が流布されてきた。私はここでこの神話を叩き壊さなければならない。

 結論から言えば、私は、日本の個別の原子力発電の再稼働問題と、日本の核武装戦略から出発した六ケ所村の日本原燃が運営する再処理工場の稼働問題は大きく分離して、政策的に議論が行われるべきである。そして、再処理工場を動かさないという政策大転換をしたうえで、他の原子力発電所の稼働を議論するべきである、と考える。

 そのことによって、六ケ所村の位置する青森県を「日米原子力共同体」から解き放ったうえで、健全に理性的に原子力発電をどのようにしていくかを議論するべき時に来ている、ということを強く主張する。六ケ所村は、沖縄の名護市辺野古が普天間移設先として背負った十字架と同じ負担を背負わされている。これは「受益地」と「受苦地」の分離という形での官僚やアメリカの大きな国民分断工作なのだ。使用済み核燃料は各原発敷地かそれ以外の電力受益地で保管するべきものだ。原子力発電所問題は、基地問題と似た構図を持つ。

 その大きな政策転換のためには、中曽根康弘の流れにある外務官僚が支配してきた、六ケ所村の再処理施設を運営する日本原燃(にほんげんねん)の親会社である日本原電(にほんげんでん)という国策の原子力発電所と核燃料サイクルを主要な事業にする会社を、いちど一時国有化して破綻させ、その上で解体しなければならない。

 結局、アメリカの原子力版のジャパン・ハンドラーズとその受け皿である外務省原子力課出身の中曽根系の原子力官僚たちが一番悪いのだ。正力松太郎よりも中曽根康弘が悪いのだ。さらにその先にいる安倍晋三のような日本民族派のふりをしているが、結局はアメリカに逆らえない政治家たちも同様だ。

 彼らを日本から一掃して、新しい発想を持った政治家、官僚、財界人、そして国民の議論を活発にさせることによって、日本の原子力政策を正常化させた上で、今後の原子力活用の程度をどのようにするか、という、総合的なエネルギー政策に議論を行わなければならないのである。

 この大きな「覇権国-属国」関係を利用する外務官僚の権力の源泉の一つである、六ケ所村の再処理工場を無視、温存したまま、脱原発の議論をやっても、結局はこれらの「原子力外務官僚」の利権を拡大させていくだけである。これが本稿の結論である。

<原発問題は放射能の危険・安全問題ではない>

 ただ、その本論を展開していく前に、一般的に認識されている、「原子力発電所は放射能をまき散らすから危険である」とか「原発事故で撒き散らされた放射能は安全なレベルだからすぐにでも原発を再稼働すべきだ」という議論について、考えなければならない。安全とか、危険という言葉で日本人全体がヒステリーになり、専門家でもない一般人が「安全・危険」論争を行うことに意味があるのか。

 これは「オスプレイは危険だから飛ばすべきではない」という議論と同じである。その「オスプレイは危険だ」という議論を配備反対派がすれば、とたんに推進派から「オスプレイだけが危険なのではない、他の軍用ヘリも事故を起こしている」という反論が用意されたかのように飛んでくる。そうではなくて根本的な問題はオスプレイが事故を起こした時に、日本政府がアメリカの事故調査に口出しが出来ないという、日米地位協定という不平等条約にある。「安全・危険論」は結局は、水掛け論になる。これは、原子力発電所の事故から放出された放射性物質がどの程度危険なのかを議論する場合でも同じである。

 この原発から放出された放射性物質を巡る議論は、結局、「本当に正確な情報が誰にでも検証可能な形で公表されているか」という問題である。その正確な情報が存在していなければ、やはり情報を握っている側は批判されてしかるべきだし、その情報が恣意的に操作されているとするならば、検証した上で、出来る限り操作されていない情報を求めていくべきだろう。その「正しいと大多数が認める情報」を理解したうえで、一般国民が主体的に安全か危険かの判断を自主的に行えばいい。明らかに他のすべてのリスクを負ってでもその場から立ち去ったほうがいいという危険がない場合、必要な情報を入手できる環境を作った上で、政府ではなく個人が選択をする自由が認められるべきである。

 この点について、宇井純(ういじゅん)とならぶかたちで、水俣病の健康被害を長年研究してきた、環境リスク学の専門家の中西準子(なかにしじゅんこ)は、福島原発事故後に出版した『リスクと向き合う』(中央公論新社)の中で、リスクとリスクがぶつかった時にどのような合理的選択を一般人が行えばいいのか、という議論の中で、まず次のように述べている。

(引用開始)

  ただ、放射線が特別なリスクであると考えるのは間違っています。それによって、何が起きるかはほぼわかっているのですから。低線量の影響がはっきりしない、放射線の影響がわからないからというようなコメントを出す識者も多いですが、それも違います。ここまで影響がわかっているものは少ないのです。原爆が投下され、被ばく者の追跡調査が65年続いているのです。他の物質でこれだけのデータがあるはずがありません。また、国連科学委員会や国際放射線防護委員会(ICRP)を支えた研究者の努力で、ベクレルという放射線の活性をシーベルトという健康影響に換算していくプロセスなどについては、臓器ごとに影響を調べていて、とても化学物質ではできていないことをしているのです。こういうことを知ってもらって、数字通りのリスクだということを理解して欲しいのです。識者の方は、過剰に怖がらせるような発言はゆめゆめ慎んでほしいです。

『リスクと向き合う』中西準子・著(32ページ)
(引用終わり)

 このように中西準子は述べたうえで、個々人のリスクの向き合い方について、ICRPが決めた、一人が年間に浴びても良い許容線量限度の1ミリシーベルトという数値について、次のように述べている。

(引用開始)
 
  これ(注:ICRPの許容線量限度)は、どうやってきまったのでしょうか?それはまさに社会が決めたことなのです。自然起源の放射線強度は、ラドンの影響を除くと年1ミリシーベルト程度です。さらに、自然界の放射線が場所によってどのくらい違うかをいろいろ調査した結果、場所による変動も年1ミリシーベルトぐらいでした。場所により高い低いはあるが、そのことは健康に影響を与えていない。放射線濃度の高低によって土地が安いとか高いとか、病気が多いとか、そういうこともない。これなら受け入れられるでしょうね、ということから、年1ミリシーベルトを一応の基準として提案し、多くの国や国際機関がそれを採用しているのです。だからこれは安全基準でも何でもないのです。ただ社会的にそのくらいを標準にして決めましょうという取り決めでしかないのです。

『リスクと向き合う』(34ページ)
(引用終わり)

 このように、中西は放射線の許容限度は社会が決めたことであるとし、安全基準ではないとしている。中西は、「リスクはゼロでなければダメだといってしまったら、世の中動かないので、どのくらいのリスクなら受け入れられるかという議論を真正面からしなければならない」、と更に述べている。放射能避難や通常よりも放射能の濃度が高い汚染地域での農業を再開するべきかという問題についても、このリスクを避けることで、他のリスクが生まれる可能性を考えて比較衡量したうえで、個人が判断する自由を政府が与えるべきであるとしている。私もこの考えかたでいいと思う。
 
 ある行動を行った際に、どのようなリスクを個人が負うのかということを考えていくのが政策の判断だということでもある。そのリスクが恐ろしく大きい場合は、その行動をしないままでやめておくということも合理的選択である、ということだ。

 以上のような議論を中西の本で読んでいた時、国会内で日本維新の会の西田譲(にしだゆずる)という政治家が「放射能避難」について安倍政権に対して次のような質問をしたことが新聞報道などで話題になっていた。今述べた、中西準子の「リスク・トレードオフ論」からすると非常に奇異な議論に聞こえた。その質問を報じた「朝日新聞」の記事を引用する。

(引用開始)

「低線量セシウムは人体に無害」 維新・西田議員が質問
「朝日新聞」(2013年3月13日・電子版)

 日本維新の会の西田譲衆院議員は13日の衆院予算委員会で、福島第一原発事故の放射能汚染について「低線量セシウムは人体に無害。医学を無視し、科学を否定する野蛮な『セシウム強制避難』を全面解除すべきだ」などと質問した。

 西田氏の質問に対し、党所属議員の事務所などに抗議があったため、小沢鋭仁国会対策委員長らが対応を協議した。党執行部は西田氏の質問内容を詳細に把握していなかったという。

 西田氏は原発事故で飛散したセシウムは「線量は微量だ。個人の外部被曝(ひばく)線量は年間実績でわずか数ミリシーベルト。しかし、これまで進められてきた政策を振り返ると、あたかも日本経済の発展を阻害すべく、反原発を宣伝する手段として、反医学的な福島セシウム避難を考案し、実行したように思われる」とし、被曝の影響は「問題にならない」と主張。安倍晋三首相に避難者の即時帰宅を認めるよう求めた。

 除染についても「セシウムしかない福島県でなぜ除染が必要だと考えるのか。住民を排除して民間業者に委託する。何らかの政治的意図から採用したとんでもないやり方だ」と持論を展開。民間業者による農地の除染について「田畑を破壊する。農作物、特に稲にとってセシウムの被害はほとんど考慮に入れる必要はない」と問題点を指摘した。

 そして、「原爆の廃虚となった広島と長崎で、放射能で汚染されたがれきを片付けたのは民間業者だったか。生き残った住民が強い意志で日夜営々と努力をしたからこそ、迅速な復興が出来た。福島復興を遅らせている民間業者による除染こそ、即時中断すべきだ」と首相に迫った。

 安倍首相は「福島の方に理解を頂ける形で、出来る限り多くの方々が地元に戻れるよう努力したい」などと答えるにとどめた。

 橋下徹共同代表は13日夕、西田氏の質問について「個人の意見として述べたんでしょう。表現方法に未熟さがあった」と話した。
 
http://digital.asahi.com/articles/TKY201303130479.html
(引用終わり)

 この西田議員の質問だが後半の除染を民間業者に委託したことの批判はなかなか鋭いし、ゼネコン・土建屋に任せっきりの助成事業を批判したものとして評価できるものだろう。しかし、前半の「医学を無視し、科学を否定する野蛮な『セシウム強制避難』を全面解除すべきだ」は意味が全くわからない。

そもそも原発周辺の住民を菅政権、野田政権、安倍政権が避難させているのは、医学と科学を無視したからではなく、その周辺地域にいずれ、巨大な使用済み核燃料や、低レベル放射性廃棄物の中間保管施設を作ろうとしているからである。また、仮に住民を帰還させても、原子力に依存してきた、福島県の浜通り地方で新しい産業が生まれない限り、放射能の健康被害などの議論を無視しても、住民の生活基盤が確立できる話ではない。住民の側も帰還してしまったら、今もらっている補償金をもらえなくなるリスクがあるので、中西のリスク・トレードオフ論から行けば、全く合理的な選択にはならない。

 西田譲議員は国会質問で医学者の高田純などの「WILL」という雑誌によく登場する特定の右翼的な政治思想を持つ論客の言論をそのまま紹介していたようだ。だから、国会議員に必要な生活基盤をどのように作っていくかという議論を大きく無視した的外れな質問になってしまったのだろう。

 チェルノブイリの原発事故の結果、ヨウ素被曝の結果、甲状腺がんが増加したことは確認されているから、数年後にかけてこの現象が日本でも起きる可能性はある。また、それ以外の健康被害が起きた場合も、速やかに公表されるべきだろう。その上で、起きてしまった健康被害や健康被害を早期に察知するために、福島県では医療費を無料にするなどの政策は必要なのだろうと思う。

 ここまでに紹介した、中西準子の一連の放射能についての議論は、情報を公開した上で、個人がリスク(健康だけではなく金銭的リスク)を勘案して、生活を考えていくべきであることを示しているし、西田議員の質問は、巨大なゼネコンが主導する除染事業の問題を指摘したは思うのだが、私には本当の問題が「その先」にあるという思いの方が強い。それは何かというと、西田議員が指摘した、除染ゼネコン利権を握った環境省の利権よりもさらに大きな「外務省原子力官僚」の存在である。 
 
 結局のところ、原発放射能の問題をことさらに議論させていったことに大きな官僚機構の謀略があったのだ。彼らは、官邸前デモに集まる「放射能危険派」をもうまく操って日本の原子力政策を自分達の権益を守る方向に動いた。その証拠が国土交通省でも、経済産業省でもなく、環境省が新しく握った「除染利権」の誕生である。

 放射能危険派と安全派がふた手に分かれて不毛な議論を繰り返すことによって、時間が空費されてきた。私が『放射能のタブー』(KKベストセラーズ)で指摘したとおりになった。

 しかし、この不毛な議論を繰り広げることで、本当に利益を得るのは「原子力村」と呼ばれるようになった世界に住み、エネルギー政策を牛耳ってきた官僚やその仕組みに乗っかる政治家たちだ。その姿は、冷戦期の保守と革新の議論の「弁証法」の上に立って、日米安全保障体制の護持という権益を脈々と築いてきた外務官僚たちや親米派政治家たちの姿に重なる。賛成派も反対派も彼らの手の上で踊らされてきただけだ。首相官邸前に集まる反原発デモはその矛先を外務省とアメリカ大使館にも、向けるべきであった。

 そのような上からコントロールしている、原子力官僚の日本国内での頂点にあるのが「外務省・総合外交政策局・科学原子力課」(現在は、「外務省軍縮不拡散・科学部 不拡散・科学原子力課 国際原子力協力室」と「日米安全保障課」)なのである。本稿は彼ら原子力外務官僚の正体を暴くことを目的にしている。

<「日本はアメリカの核燃料備蓄場」であると喝破した苫米地英人>

 このように、日本の原子力政策が「異常」であることはそもそも、日本の原発政策はかつての占領国であり、現在は非対称な同盟関係を結んでいる覇権国のアメリカの許認可によってようやく成り立ってきた、という歴史的な事実に起因している。

 そして、その最たる存在は「日米地位協定」であることは前回にお知らせしたとおりだが、この地位協定に基づいた日米安保体制、日米同盟体制を維持したままでは、いかに原子力政策を正常化させようとしても、さらに日米同盟態勢を既得権益にしている日本の外務官僚たちと、アメリカのジャパン・ハンドラーズの思惑に絡め取られてしまうだけなのだ。

 そのことを痛感させてくれたのが、苫米地英人(とまべちひでと)が書いた『原発洗脳』(日本文芸社)という本だ。この本の編集者は、偶然にも拙著『ジャパン・ハンドラーズ』の編集をしてくれた編集者であり、そのためか、この本の中でも「ジャパン・ハンドラー」という名称が普通に出てくる。



 苫米地氏は、1959年生まれの脳認知科学者であり、「自己啓発」(セルフ・ヘルプ)分野の本を多数出している。2012年の衆院選挙では北海道から鈴木宗男の新党大地の候補者としても出馬した。

 「苫米地」というと、衆議院の解散により衆議院議員の職を失っために、任期満了までの職の確認と歳費の支給を訴えて争った苫米地事件の主役である苫米地義三(とまべちぎぞう)のことが思い浮かぶが、苫米地英人はこれとは関係ない。

 祖父は北海道選出の参議院議員の苫米地英俊であり、父親は日本興業銀行のニューヨーク支店勤務で中学生からアメリカで過ごしている。叔父が米国三菱商事の社長で、米国三菱の公邸のようなところに住んでいたと、自伝(『脳の履歴書』主婦の友社)で書いているから、かなり上の上流階級の御曹司だったのだろう。

 上智大学に入学すると、同時通訳を初めてサイマル・インターナショナルで働いてもいる。自分でコネ入社と認めているが、大学卒業後は三菱地所に入社し、社長の通訳を務めていたので、ロックフェラーセンター買収にも関わっており、デイヴィッド・ロックフェラーとも個人的に親しく、ロックフェラー・グループの取締役会には常に三菱地所の苫米地氏の座席があったほどだという。

 フルブライト留学生でもありイエール大学で人工知能について学んだ後、カーネギーメロン大学に転入し、日本人としては初の博士号を取った。

 その後、日本では、徳島大学や「一太郎」で有名なジャストシステムで勤務していたが、オウム真理教事件があった後は、その元オウム信者の脱洗脳に関わったことで有名になった。CIAの洗脳プログラムについての訳書もある。洗脳をキーワードにし文筆・評論活動を続けている人である。

 苫米地氏は金融危機の直前くらいから、マスコミの洗脳などによって一般人が見落としている世界の秘密を暴くべきだ、と主張する本を書くようになった。だから、今回の『原発洗脳』という本も、日本人の脳に生まれた「盲点」(スコトーマ)を暴くという狙いで書かれたものである。

 そしてその彼の言う「盲点」とは、「日本の原子力は米国に支配されている」ということである。だから、この本は「原子力版の属国・日本論」ともいうべき本なのだ。

 だから、私としては苫米地氏の本を読んだ上で、それを踏まえて、実際に具体的に日米の原子力共同体はどのような人物たちで構成されており、誰が一番重要なキーパーソンなのかを暴き立てなければならない、ということになる。

 苫米地氏は、この本の中で「日本の原子力を今もアメリカが支配している」という重要な事実について述べている。

 具体的にはそれはどういうことかというと、「日本の原子力の技術はアメリカではもはや古臭いものになった民生技術であり、本当に優れた高度なアメリカの原子力技術はウェスティングハウスの原子炉を備えた米原子力空母の軍事技術である」ということなのだ。

 『原発洗脳』から引用しよう。「原子力技術に関しては、日本は最高レベルだという意見」に対して、「何を根拠にそのようなことを言っているのか、全く理解出来ません」と述べて、苫米地氏は、次のように書いている。

(引用開始)

  確かに、日立、東芝、三菱は、世界の原子力の主要プレイヤーであり、東芝は高い原発技術を持つアメリカのウェスティングハウス・エレクトリックの原子力部門を傘下に収めています。
しかし、ウェスティングハウスは東芝の傘下には入りましたが、核分裂を持つコアの技術は手放していません。がっちりと握ったままです。依然として中核技術の特許は押さえています。(略)

  ウェスティングハウスは、軍事機密の部門を切り離して、残りを東芝のコントロール下に置いたのです。東芝が買った技術は、原子力発電のいわば「メンテナンス技術」だけです。原子力発電のコアの部分である核分裂技術に関しては、何ら技術を持っていません。

『原発洗脳』(六九-七〇ページ)
(引用終わり)

 このように述べており、戦闘機の分野と同じように、日本は属国なので、中核技術は決してブラックボックスのままにされて、アメリカから譲り渡してもらえないのだ、と述べている。さらに、次に、GEの沸騰水型原子炉に関しても苫米地氏は次のように述べている。これは、私が実際に原発メーカーの技術者から聞いたのと同じようなことだ。

(引用開始)

  原発建設に関わった技術者を知っていますが、実際の現場では、GE(ゼネラル・エレクトリック)などの特許をマニュアル化した知的財産権のルールが細かく規定されていて、その範囲内で、マニュアル通りに技術者が動いているだけです。

  福島第一原発1号機は、GEが主契約者で、2号機はGEと東芝が主契約者でした。3号機と4号機は、東芝と日立が主契約者でしたが、東電からの元請けが東芝と日立というだけであって、GEの技術者が来て、その指示のもとに作ったのです。(略)このような実態がある中で、「日本が世界最高の原発技術を持っている」とは、とても言えないはずです。(略)

  言い方は酷になりますが、東芝と日立は、アメリカの原子力技術の販売代理店に過ぎません。日本企業がベトナムやトルコに原発を売れば、特許収入がアメリカに転がり込む仕組みなのです。日本の原発施設は、アメリカ企業にとって、住宅展示場のようなものです。

『原発洗脳』(72-73ページ)
(引用終わり)

 このように苫米地氏は見抜いている。確かに、アメリカでは今日まで30年間、スリーマイル島のメルタダウン事故以降、アメリカ国内では原発アレルギーが起こり、その一方でロックフェラー系のカーター政権などは石油戦略を打ち出したので原子力がスローダウンしたので原発の視線説はなされなかった。

 アメリカでは民主党のカーター政権でスリーマイル事故が起きたあとに、使用済み核燃料の再処理を含めた原子力民生ビジネスに対して意欲を失っていく。その間にも、日本は田中角栄の「電源三法」に代表されるような、地方への原発誘致と引き換えに莫大な補助金を流してこんで、地方を電力需要の必要上にたくさんの「原発銀座」にしてしまった。

 これが苫米地氏の言うとおりであるならば、これはアメリカが属国から「金を巻き上げるビジネス」の一貫として機能していた、ということにほかならない。

 後でも述べるが、原子力ビジネスというものはそもそもアメリカと日本が原子力協定を結んだからこそ、実施が許されたものであり、アメリカは許認可、ライセンスを与える立場になるのである。田中角栄の後にもアメリカのお気に入りの中曽根政権になっても原発建設が止まらなかったことは理解できる。

 ところで、本当に優れた原子力技術とは何か、についても苫米地氏は語っている。それは、ウェスティングハウスの技術を駆使して作られたアメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」に2基搭載されたA4W原子炉であるのだという。この空母は311直後のトモダチ作戦に参加した空母だ。

 ちなみに原子力空母を建造しているのはノースロップ・グラマンで、その原子炉の設計はウェスティングハウスであるが、原子力潜水艦の場合はクラスによって同じPWR(加圧水型原子炉)であっても、GEとウェスティングハウスの両方のタイプがある。原子力潜水艦にもGEは参加しており、商業軽水炉では保有していないPWRを持っているのだ。これは私が苫米地氏の本を読んだ後に調べてわかったことである。潜水艦本体を建造しているのは、リチャード・アーミテージがかつて取締役をしていたゼネラル・ダイナミクス社だ。

 さて、この原子力空母の原子炉が優れているのかということについて、苫米地氏は次のように語っている。

(引用開始)

  空母に搭載している原子炉は、出力調整が可能な原子炉です。スロットルのように、「15パーセント臨界」、「50パーセント臨界」などの調整が可能で、必要な電力量に応じて、出力を自由に変えられるのです。商業用原子炉とは、比較にならないほど、高度なテクノロジーが使われています。

『原発洗脳』(105ページ)
(引用終わり)

 これを読んで、改めて私はいかに、商業用原子炉の技術が遅れているものなのかわかったような気がした。アメリカは民生用に売り渡してもいい技術だけを選んで売って、軍事技術は最先端を維持していく。おそらくDARPAのような軍事通信技術を研究しているところも、そのようにしてインターネットを民間に売り渡したはずで、軍事ではもっと高度な通信技術が使われているのだろう。

 いずれにせよ、今一番多いとされる日本の原発は、1970年代に開発された第二世代の原子力技術で作られたものであり、つまりそれは30年前の遅れた技術によるものである。しかも、その古い技術で建設された原子炉を新幹線のような他のインフラの入れ替えのペースでは考えられない30年以上とか、場合によってはアメリカでは60年近くも使い続けるということなのだ。40年経てば、トンネルも崩れる。同じように原発も壊れる。それが福島第一原発の事故だったということだ。それでも、福島の事故は、非常用の送電線やディーゼル発電機をを複数確保すると対応が可能だった。それをコストをけちって東電がやらなかったし、規制当局もそれを容認した、ということが事故の背景にある。連鎖的な原子炉のメルトダウンは本来起きなくてもいい事故だったのだ。

 話を戻すと、もともと原子力技術というのはウェスティングハウスの原子炉を搭載したノーチラス号(建造はゼネラル・ダイナミクス社)という原子力潜水艦から始まったものであり、もともと原子炉は巨大なものではなく小型なものだった。また、原発で使うような数パーセントの低濃度濃縮ウランではなく、原爆以上の95パーセントの高濃度濃縮ウランを使うものだという。小型で燃料は、潜水艦が退役するまでの40年~50年まで一度も交換しないで済むという「使い捨て型」なのだ。

 そこで思い当たるのが、アメリカではすでに、ビル・ゲイツなどが絡んだ形で、小型原子炉の開発が進められているということである。ゲイツが出資する「テラ・パワー」には民間の原子力発電の未来があり、小型・使い捨て(30年間燃料交換不要)というのがそのキーワードである。これもおそらくは軍事技術の転用なのだろう。東芝もすでに小型原子炉「4S」を作っているが、やはりウェスティングハウスの技術の転用と見るべきだろう。テラ・パワーは、「ウラン濃縮施設の無用化、最終的には廃止」と「将来的な再処理工場の無用化」を会社の目標に掲げている。だから、今日本で議論されている核燃料サイクルなどの議論はすごく遅れた話なのだ。このことについては後で本格的に触れる。

 苫米地英人の『原発洗脳』に話を戻す。このように、苫米地氏は日本の原子力技術がアメリカの最新の軍用の原子力技術に比べても、民間の最新の原子力技術に比べても大きく遅れていることを述べた上で、本書の本当に重要な「アメリカの日本に原子力支配」について論じている。

 ここで、アメリカの許可なしに日本が原子力を持つ事ができた、と考える人は、日本がアメリカと戦争で殺し合ったという事実を無視しているのと同じだとのている。アメリカの敵国であった日本がすんなりと戦後わずか10年後(1955年)に原子力を持つことが出来たのは、アメリカの国益が背後にあったためだと述べているが、苫米地氏が優れているのは、彼が次のように述べているところである。

(引用開始)

  アメリカにとっての国益とは、「安全保障(ナショナル・セキュリティ)」です。日本の原発は、アメリカの安全保障を脅かさず、アメリカの安全保障に寄与することを条件に認められた私設です。この条件なしには、アメリカは日本に原発を認めることはありませんでした。つまり、原発は、アメリカの管轄下に置かれ、アメリカがコントロールすることを前提にして、敵国・日本に認めた施設なのです。この条件を担保するもののが、日米安全保障条約です。こういった経緯を踏まえずして、原発問題を議論してもほとんど意味がありません。

『原発洗脳』(117ページ)

(引用終わり)

 このことが極めて重要である。属国・日本論の立場と合理的選択論で政治分析をする立場からすれば、苫米地氏の上の文章は次のように言い換えられるだろう。

○ アメリカは、日本に商業用原子力発電をやらせるという「合理的選択」を行なっている。

 アメリカが敵国・日本に、商業用原子力発電を認めるための論法の一つが、アイゼンハワー大統領が核保有国アメリカの大統領として打ち出した、「アトムズ・フォー・ピース」(平和のための原子力)というプロパガンダである。原子力発電というのは先程も原子力空母や潜水艦の例を引き合いに出して述べたように、元々は核爆弾や原子力推力の潜水艦からの「スピンオフ技術」に過ぎない。
 
 核戦争の脅威を前提にした「米ソ冷戦」が激化する中、アメリカは敵国であった日本を反ソ陣営に繋ぎ止めておくために、日本には核兵器開発をさせずに原子力発電だけを与える。これが戦後一貫したアメリカの国家戦略の合理性であった。そのためには、アメリカは日本の原子力施設を徹底的に監視するし、それに対して、日本の政治家はそれを出しぬいて、少しでも自力核武装をする可能性を残そうとする。

 したがって、これは合理的選択論で見るところの、「プリンシパル(本人)-エージェント(代理人)関係」そのものであり、アメリカの監視の目を盗んで核武装につながるプルトニウムを貯めこむことは、エージェンシー・スラックを利用した代理人の側の反逆行為であるということになる。

 エージェントが、プリンシパルの利益のために委任されているにもかかわらず、プリンシパルの利益に反してエージェント自身の利益を優先した行動をとってしまうことを、エージェンシー問題という。

 そこで重要になるのはプリンシパルがこの死活的な安全保障上の利益をめぐってエージェンシー問題(この場合には日本の「独自核武装」と「日米安保条約の破棄」)を回避するための日本コントロール方法を構築するように、当然、プリンシパルである覇権国・アメリカが賢ければ手をうってくる。

 それが「人脈(ネットワーク)」を通じたエージェント側のコントロールである。ただし、現在はアメリカは日本が「核武装ではなく、潜在的な核武装につながる技術を持つという、核技術抑止論を公然と打ち出す」ところまでは、監視つきで認めているようである。そのような核技術による抑止論を捨てない、と公言する石破茂・自民党幹事長に代表される政治家がアメリカに抹殺されないことがその証拠である。

 しかし、それができるのも、プリンシパルであるアメリカは、日本の原子力施設を常に監視しているからである。アメリカは日本の発電所の運転状況、原子炉に搭載された燃料の一本、一本まで日本から報告を受ける権利がある。

 そのようなことを可能にしているのが「日米原子力協定」である。(報告についての規定は、実際には協定の実施取極第2条に規定される)

 苫米地氏は細かくは日米原子力協定については述べていない。しかし、本質的に苫米地氏は米日の覇権国・属国関係と、それが意味することを概念として理解した上で、この本を書いていることがわかる。そのことを示しているのが以下の文章である。『原発洗脳』から引用する。

(引用開始)


  アメリカの安全保障政策上、日本は、アメリカの「核の傘」の下に置かれた国です。日米安全保障条約によって、他国が日本を攻撃したら、アメリカの核による報復攻撃が行われることになっています。そのかわりに、日本は確の置き場所という位置づけも持たされています。アメリカ軍の核兵器が不足した場合には、日本の原発の核燃料などを接収して、アメリカ軍の核兵器などに転用します。日本の原発はアメリカの核燃料備蓄場といってもいいくらいです。


  日本が、核燃料サイクルで燃料の再処理をして、プルトニウムなどを保有することが求められているのも、アメリカがいつでも接収できることが前提になっています。

『原発洗脳』(125ページ)
(引用終わり)

 ここには驚くべき日米関係の真実が書かれている。

<日米原子力協定を分析しなければ日本の原子力政策の異常さは理解できない>

 苫米地氏が書いている、プルトニウムを「接収」というのは、極端なように聞こえる話だが、究極的には本当なのだ。

 なぜなら、そのように日米原子力協定では明瞭に書かれているのだ。日米地位協定で、アメリカが日本のどこにでも基地をおいても許されるし、米軍の飛行機やヘリがどこを訓練しても許されるようになっているから、日本側がオスプレイの飛行を拒否できないのと、理屈は同じだ。アメリカは協定や契約に書かれていないことはやらない。書かれていることに基づいて、行動する。

 実際に日本にあるプルトニウムが接収されていないのは、アメリカが実際にその必要性を感じていないから、それをやらないだけだ。

 だが、日米原子力協定には安全保障条項というものがある。そこに接収のこともちゃんと書いてあるのだ。

 今述べた、この日米原子力協定とは、1988年に発効した現行協定のことをいう。後で述べるが、原子力協定には1955年版の「日米原子力研究協定」それから1968年版の「旧日米原子力協定」がある。

 正式名称は、「原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」という。序文では、「1968年2月26日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協定のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(その改正を含む。)(以下「旧協定」という。)の下での原子力の平和的利用における両国間の緊密な協力を考慮する」と述べてある。

 つまり、旧協定の効力をも引き継いでいるものだ。旧協定よりも現行協定は、かなり記載が簡略化されている。つまり現協定と矛盾しない限り、旧協定も合わせて適用される、ということである。

 そして、この原子力協定第11条には次のように書いてある。

(引用開始)

第11条

第3条、第4条又は第5条の規定の適用を受ける活動を容易にするため、両当事国政府は、これらの条に定める合意の要件を、長期性、予見可能性及び信頼性のある基礎の上に、かつ、それぞれの国における原子力の平和的利用を一層容易にする態様で満たす別個の取極を、核拡散の防止の目的及びそれぞれの国家安全保障の利益に合致するよう締結し、かつ、誠実に履行する。


(引用終わり)

 この中で書かれているのは、第3条(ウランや濃縮ウラン等の貯蔵について)、第4条(核物質や資材の日米間の移転について)、第5条(使用済み核燃料やプルトニウムの再処理の権限を日本に認める件について)の各規定の適用を受ける活動をしやすくするために、日米両政府は、「長期性、予見可能性及び信頼性のある基礎の上に、かつ、それぞれの国における原子力の平和的利用を一層容易にする態様で満たす別個の取り決め」を締結するということだ。

 さらに、それは核不拡散体制(NPT体制)や、日米の(つまりアメリカの)安全保障上の利益に合致するように締結され、日本は誠実にそれを履行する義務があるということである。

 形式上、双務的に協定上の義務は及ぶことになっているが、日本がアメリカに命令できることは、日米安全保障条約や地位協定の規定を考えればありえないので、これは事実上、日本だけに課される義務である。

 そして、この11条で書かれている取り決めというのが、「協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極」である。日米地位協定に対する交換公文のような位置づけにある文書である。その中には次のような安全保障条項を更に具体化させる記述が書かれているのだ。ちょっと長いが、これまで解説してきたことを踏まえた上で読んでいただければ十分に理解できる内容だと思う。

(引用開始)

第3条
1(略)
2 いずれの一方の当事国政府も、他方の当事国政府による核兵器の不拡散に関 する条約に対する重大な違反若しくは同条約からの脱退又は機関との保障措置 協定、この実施取極若しくは協力協定に対する重大な違反のような例外的事件 に起因する核拡散の危険又は自国の国家安全保障に対する脅威の著しい増大を 防止するため、第1条において与える同意の全部又は一部を停止することができる。そのような停止に関する決定は、核不拡散又は国家安全保障の見地から の例外的に懸念すべき最も極端な状況下に限り、かつ、政府の最高レベルにお いて行われるものとし、また、両当事国政府が受け入れることのできる態様で そのような例外的事件を処理するために必要とされる最小限の範囲及び最小限の期間に限つて適用される。

3 両当事国政府は、2の停止の期間中、第1条に掲げる活動について個別に合意することができる。両当事国政府は、問題とされる事実関係を確定するため に、及び停止が必要な場合にはいかなる範囲の停止が必要であるかを討議する ために、停止に先立ち相互に協議する。停止を行う当事国政府は、当該停止の経済的影響を慎重に検討し、かつ、この実施取極の下での国際的な原子力関係取引及び燃料サイクルの運営の撹(かく)乱を回避するため可能な最大限の努力をする。 両当事国政府は、協力協定第14条の規定に従い、これらの問題を解決するた め第三者に付託することを合意することができる。

4 停止を行つた当事国政府は、停止の原因となつた事態の進展を絶えず再検討 し、かつ、正当化され次第停止を撤回する。両当事国政府は、いずれか一方の 当事国政府の要請があつた場合には直ちに、当該停止の撤回のための根拠の存 否を決定するため相互に協議する。

「日米原子力協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極」
(引用終わり)

 この取極第3条が作られた理由は、当時、外務省で日米原子力協定の交渉に携わった、遠藤哲也という官僚が自ら記した回想録『日米原子力協定(1988年)の成立経緯と今後の問題点』に詳しく書いてある。

 遠藤らによると、1988年の日米原子力協定の改定交渉の力点は、これまでの協定ではアメリカが日本に一回ごとの個別同意を与えることでなんとか許容されていた、使用済み核燃料の再処理について、アメリカが包括的な合意を与えることをアメリカに容認させるというところにあった。

 この背景には核兵器生産につながるプルトニウム生産のフリーハンドを得ておきたいという国家戦略的な日本の思惑と同時に、電力会社側の副社長クラスが毎回、米議会の校長会に呼び出されるという手間を省くという目的もあったようだ。実際、日本初の再処理施設である東海村再処理工場は運転開始直前に、米国が稼働を停止させたこともあった。(この件は『原発の闇』赤旗編集局などに記述がある)

 原発から出る「使用済み核燃料」を再処理して、再び核燃料(MOX燃料)にするプロセスを「核燃料サイクル」と呼ぶ。その際には、核兵器のそのまま原料になる危険なプルトニウムという物質が分離される。アメリカはこの再処理を他の国には与えていなかったが、この改定協定を結んで、日本に与えることにした。

 ところが、それは無条件ではなく、協定本文と実施取極に「国家安全保障」というアメリカの国家意思を表す表現を入れることが条件だった。それを交渉にあたった外務官僚やその当時の首相だった中曽根康弘に呑ませたのである。

 そして、それが実施取極め第3条第2項にある「全部または一部の停止」という条項なのである。属国が勝手に核武装をしてアメリカの核の傘から離れることをアメリカは阻止するためにこの条項を日本側に飲ませたのだ。

 日本は今も原発で使用する濃縮ウランの7割以上をアメリカから購入している。もちろん、ウラン鉱石の最大の輸入元はアメリカではない。オーストラリアであり、二番目はカナダである。しかし、これが原発で使われる濃縮ウランになると、アメリカが筆頭に来る。この根拠となっているのが、どうやら、68年の原子力協定に取極めがあるらしい。

 実際の輸入量の総計は、2004年から2010年の合計では、今もアメリカからが73%(4602.7トン)、ついでフランス(1146.2トン)となっている。日本国内にもウラン濃縮工場はあるが生産しているのは、全体からすれば、じつに微々たる量である。

 また、原子力委員会が出した『昭和62年版原子力白書』は、日本の発電事業者が米国以外からの濃縮ウランを混焼(混ぜて燃やす)する場合、米国以外の濃縮ウランの割合を30%を上限にする契約を結んでいると書いているという。当初は100%近い量を米国から輸入してきたことを考えれば、濃縮ウランの供給源は多様化されたと言えるが、まだまだである。(前出『原発の闇』から)

 そのように原子力協定というのはよく読めば、日本の原子力事業というのがアメリカからの許認可を前提にしたものだとわかってくる。話を苫米地英人氏の『原発洗脳』に再び戻す。

 苫米地氏は、日本の原発にアメリカは備蓄しているのだと書く。イランのようなイスラエルの敵国が、核兵器開発するために原子力発電所を動かそうとしていることを考えれば、この理屈は容易に理解されるだろう。

 原発というものの前に原子爆弾があり、原子力潜水艦があった。いざとなれば核兵器製造の原料を取り出せる設備が原子力発電所なのだ。さらに、日本には劣化ウラン工場もあり、劣化ウラン弾の製造も日本が肩代わりをしていることになる。劣化ウランの工場は、日本では山口県岩国基地の近く、アメリカではグアムかハワイにあるらしい。

 去年、2012年4月22日に、三井化学大竹工場で火災が起きたことがあった。その時もこの工場では劣化ウランを製造しているという報道が流れたことを今思い出した。

 この工場には、放射性物質である「劣化ウラン」が入ったドラム缶をおよそ3,400本保管しているとも当時報道された。当然、これらの劣化ウランは直近にある米軍岩国基地に劣化ウラン弾として納入されているのだろう。劣化ウラン弾は戦車の装甲板も貫通する能力を持っており、タングステンと並ぶ兵器の原料であることはよく知られている。ただ、イラク戦争で劣化ウラン弾を使う戦場にいた米軍帰還兵やイラクの人々は後遺症に悩まされていて、このことはアメリカ国内でも映画になったほどの大問題になっている。

 アメリカ本土では世論の反対が強く、劣化ウラン弾工場を建設できないので属国でやっている。そのように苫米地氏は書いているがその通りだろう。

 だから、苫米地氏は次のように言い切っている。

(引用開始)

  原発施設は、表面的には、日本の民間企業の施設ですが、現実にはアメリカ軍の「軍事施設」と言っても過言ではありません。

『原発洗脳』(128ページ)
(引用終わり)

 日本の原発はアメリカの核の一時的保管所であり、日本の原発ビジネスはアメリカがコストを負わない代わりに日本の原子炉メーカーがアメリカの下請けとしてライセンスを付与されているだけのビジネスである。

 この苫米地氏の鋭い読みを私は高く評価しなければならないと思う。確かに沖縄の嘉手納基地や辺野古のキャンプ・シュワブに米軍が核兵器を持ち込んでそれを保管しているという話は証言としても出てきていた。しかし、それと同じようにアメリカは核兵器ではないが、核物質を移動させて管理していた。それが日米原子力協定に規定された、「核物質や施設、設備の管轄国間の移転」というものである。いずれにせよ、最終的には核物質を装填した日本の原発は緊急時にはアメリカの管轄に行くのである。

 東電福島第一原発のメルトダウンに際して米軍が全面協力を申し入れ、更に首相官邸にNRCや大使館の関係者を常駐させたののも、原子力協定第2条に規定された、「両当事国政府は、専門家の交換による両国の公私の組織の間における協力を助長する」とか「両当事国政府は、両当事国政府が適当と認めるその他の方法で協力することができる」というものに基づく、専門家の交換という取極めの実行に過ぎない。

 世間で、原子力村と呼ばれる原子力に群がる既得権利権集団の存在が囁かれて久しい。

 しかし、これまでの議論ではいわゆる「政官業の鉄のトライアングル」ということにまで注目が行くようになっていたが、実際はそのトライアングルを上から支配するアメリカという存在がある。このことが重要であり、そのことに気が付かなければ、脱原発を巡る議論は「あさっての方向」に行ってしまう。

 その最たる例は「発送電分離さえ行えば、脱原発は実現できる」というものであり、これを唱えていたのが、今年になってから亡くなった加藤寛(かとうひろし)・千葉商科大学元学長である。

 カトカンは合理的選択論から生まれた、ジェイムズ・ブキャナンという行政学者の「公共選択論」を日本で広めた人である。官僚の肥大化をどうやって防ぐのかということを研究する学問だ。合理的選択論のように価値中立的に、関係者の行動原理を分析して、一方が他方をコントロールするのではなく、もっと倫理的な動機に基づいたものだといっていい。カトカンは絶筆として『日本再生最終勧告:原発即時ゼロで未来を拓く』(ビジネス社)というまさに倫理的な動機に基づいた本を残した。

 彼は、官僚を政治家がコントロールするべきだと言うまでのことは言うのだが、やっぱりこの「覇権国-属国」関係が見えていないので、政策提言は「発送電分離止まり」である。本当は、発送電分離が要らないというのではないが、問題の本質はそこではない。苫米地氏は、発送電分離は不要であり、国内改革で必要なのは東西で電力の周波数が違うのでそれを統一すれば十分であり、それにはコストは大して掛からない、としている。

 加藤氏も同じようなことを述べているが、力点は発送電分離という送電会社と発電会社の分離に置いている。この発送電分離は竹中平蔵や小泉純一郎も支持している。

 だから、こう言わなければならない。私は発送電分離には必ずしも反対はしない。しかし、よほど制度設計に気をつけないと、アメリカや欧州の外資系電力会社や金融会社のエジキになってしまう危険性があることは指摘して置かなければならない。

 以上が、苫米地英人の『原発洗脳』という本の内容を踏まえた、私なりの合理的選択論の立場からする理解である。

 最後に、「原子力村の住民一覧」という資料サイトが作成したわかりやすい、日米原子力関係の真実を表す図表を掲示しておきたい。これに書かれた大きな枠組みを踏まえて次に、具体的な日米原子力人脈についての研究を、有馬哲夫『原発と原爆』やその他の中曽根系の政治家の回想録を踏まえながら行なって行きたい。


出典:http://nuclearpowermafia.blogspot.jp

 とりあえず、一度筆を置く。